番外編 初恋のヒト ページ30
・
(あつ…)
駅前に買い物へ来たA
夏の日差しが容赦なく降り注ぎ
歩くたびに汗が吹き出てくる
(このままじゃ干からびそう…)
そう思っていると
小洒落たカフェが目に留まった
(ちょっと休憩しよ…)
Aは迷わずその店へ入った
カウンター席にテーブル席
落ち着いた雰囲気の店内は
コーヒーの香りが漂い
何処か懐かしさを感じる
(あれ…？)
そんなカウンター席の隅に座る男
白髪のオールバックで
Tシャツの上からもわかる
胸骨隆々とした逞しい身体
そして、何よりテーブルの上には
大量の吸い殻
『スモーカーさん』
Aはその人の名前を呼んだ
「お前…、たしか…Aだったか…」
『はい…、覚えて下さっていたんですね』
Aは嬉しそうに笑った
一見すればその筋の人に見られがちだが
皆さまにはお伝えしておこう
このスモーカーという人物
Aの初恋の相手にして
実は警察官
それも組織犯罪対策部に所属しており
寧ろ犯罪組織を追う側の人間だ
近寄りがたい風貌だが正義の味方である
『お久しぶりですね
隣いいですか…？』
「好きにしろ」
そう口では言っているが
それはOKということだ
『あの時は本当にありがとうございました』
「お前が無事ならそれでいい」
スモーカーはそう言ってコーヒーを啜る
あの時…、それは学生の頃のこと
不審者から助けてくれたのは
警察官になりたての若き日のスモーカーで
その日Aはスモーカーに恋をした
何度か町で偶然会ったことはあったが
また会えるなんて思いもしなかった
「お前…、綺麗になったな…」
ポンとAの頭に乗せられた大きな手
一瞬何が起きたか分からなくて
Aは返事が遅れた
『ありがとうございます…』
そんな風に言われて
Aは頬を染め俯いてしまう
ｐｒｒｒｒ…
部下からの電話にスモーカーは
Aの頭から手を離すと
そのまま電話に出た
「俺だ…」
「スモやん！大変だっ！！」
「うるせェ！もう少し落ち着け！」
どうやら仕事の電話らしい
「すぐに向かう、そこで待機だ」
電話を切ると
スモーカーはAの頭をもう一度撫でた
「またな…」
『はい…、また』
Aが笑顔を向ければ
スモーカーも口の端を少し上げて
店を出て行った
(お仕事頑張って下さい)
Aは何処か満たされた気分で
コーヒーを飲むのだった
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bluemoon(プロフ) - 完結お疲れ様！コメ遅くなってごめんね…。終わると寂しくなるけど、またワンピースの作品書いて欲しいな。もちろん大好きな逆ハーレムものだと嬉しい(〃ω〃)でも、何よりもお疲れ様でしたのが先だね。また、Twitterに返事するから構ってね笑。 (2019年9月6日 17時) (
レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - bluemoonさん» いつもありがとう(^^) 読みやすいようには注意してるけど、内容はまとまっているかは自信ないなぁ(^^;; 短編難しいよね。今回の作品で痛感した笑！見習わなくても、いつも素敵な作品だよ。お互い頑張ろね！ (2019年7月15日 20時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - 毎回思うけど、お話しをまとめる内容ほんと尊敬する(上から目線でごめんね)。読みやすいし、キャラの特徴もよくつかんでるし。短編って難しいのに…。見習いたいものです(*>ω<*) (2019年7月15日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - bluemoonさん» 私もサボ好き。金髪イケメンは尊い…！逆ハーレムは幸せだよね^ ^ コメントありがとう！更新頑張るよ！ (2019年6月22日 21時) (レス) id: d8d396b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - エースの次にサボが好き。二人に愛される主人公ちゃんが羨ましい！いや、それ以前に逆ハーレムが素晴らしい(*>ω<*)次も期待してるよ！無理ないように更新頑張ってね！ (2019年6月22日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：i
| 作成日時：2019年5月21日 15時
