キスにハマった赤井さん【赤井 秀一】

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「なんだったんだ…っ」




唇を手で触りながら佇む眼鏡の男…



そう、ＦＢＩ捜査官の赤井 秀一 だ

今は 沖矢 昴 と言うべきか…




つい数分前、沖矢は衝撃を受けたのだ

それもこれまでにないような衝撃を…





沖矢の視線の先には
１人の女の後ろ姿


さらりと靡く長い髪がとても上品だ



タンタンと二階へと足を進める彼女こそが
沖矢にあっという驚きを与えた張本人であった




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『今は…、昼休みかしら…』



携帯で時刻を確認して女は
久方ぶりの我が家のドアを開けた



大きなキャリーバッグに
手荷物も沢山



まるで海外旅行から帰ったような出で立ちである





『ただいま…』





嬉しそうに微笑むこの彼女こそ
工藤 A


本作の主人公である




ドサドサっと紙袋を玄関に置いて
ぐっと背伸びをする






『あとで荷物は新一に運んでもらうから…

まずはお風呂ね…』




ただいまの時刻は午後の12時半
勿論、家には誰もおらず
彼女の家であるから問題はないのだが


Aはさっさと服を脱ぎ去り
下着姿になると携帯で弟へと
メッセージを一件送った





(びっくりするかしら…)





シシッと笑うとそのまま
バスルームへと鼻歌を歌いながら入る




『やっぱり我が家のお風呂が一番よねー』




Aは上機嫌でお湯をたっぷり張った
バスタブに浸かる



以前に買っておいた
お気に入りのバスボムを入れている為
気分は最高潮だ




『仕事も終わったし
これからゆっくりしよー』





泡風呂の泡をフーっと吹いて
子供のようにAが遊んでいる頃…






この家の住人が赤い車に乗って
こちらに向かっていた







だが、そんなことAはこれっぽっちも知らない

そもそもこんな時間に
新一が帰ってくるわけがないと
高を括っている



バスルームから出るとバスタオルで
軽く水気を取ってふとAは止まった


『柔軟剤変えた…？』



意外にも変なことには気づくのだ

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