キスにハマった赤井さん【赤井 秀一】

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「はぁ…」




赤井は自室に戻ると
ベッドサイドの明かりだけを灯し
横になった




たった１日で
色んなことがあった気がするのだ




そしてまた、自分の口元に指を触れてみる





(敵じゃなかったことが
不幸中の幸いというところか…)





すっかりAのキスに魅せられてしまい
そんなことを考える



身体も精神もあらゆる面で
鍛えていたはずの赤井



ハニトラだってお手の物だったのだが…




(あれは…ヤバかったな…)




ほら、先程のキスを思い返すだけで
またムクムクと欲が込み上がってくる




そして、赤井をこんな状態にしてしまう程の
キスをAは実の弟
新一にしようとしていたのだから
驚きでしかない



(とりあえず
処理だけはしておくか…)




切なそうに震える場所に
赤井は手を伸ばしたのである









『あー、面白かった』




リビングで 沖野ヨーコ 主演のドラマを
観ていたA




ドラマも終わり現在は11時を過ぎている





(さて…、寝ようかしら…)




そこで、ふとAの頭に
何かが過ぎった





(あっ…！)





どうやら大切なことを
忘れていたようだ







リビングを飛び出すと小走りで
トタタタタ…と階段を登る









(…来る！)




Aが階段を登るのが耳に届いた赤井は
何かを察知したように
漸くソコに触れていた手を
グッと我慢して解放した





深呼吸をしたところで…








『赤井さん、寝たかな…？』






Aがドア越しに話すのが聞こえた



ギリギリ手放すのが間に合ったようだ






「まだ起きてるよ」






と、答えるとAが安心したように
部屋に入ってきた






『よかったー！
おやすみのキスを忘れてたから慌てた』






なんて笑う






キスという言葉がAの口から
聞くだけで



ピクッと赤井の身体は反応してしまう







「おい、そもそもお前が言うキスは
１日どれくらいの回数を
どれだけの期間するんだ？」



あくまでも冷静を装い
疑問に思っていたことを赤井は口にする






すると、Aは目を見開いて




『赤井さん、何言ってるの？

そんなのしたい時にしたいだけ
好きな場所に好きなキスを
するに決まってるでしよ』




と、あたかも当たり前のように
ケラケラと笑った






そして、目を丸くする赤井に






『私、今すぐキスしたいの…』





と、恥ずかしがる素振りもなく
近づいたのである

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