雄英脱出【死柄木弔】 (ページ17)

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be OJAMAMUSHI！ページ17

『A組だろぉぉ！！？』

目眩がするほどの熱狂。観衆の目は一年A組に釘付けだ。ヒーローも先生もカメラ越しの一般人だって俺を、A組を見てる。他のクラスが可哀想なほど俺たちは目立っている。

切「キンチョーすんな…！」

　「んー？どうかな」

爆「しねぇわ」

ちょっと肩慣らしにイタズラを兼ねてばくごーの視界を奪ってみる。目がつり上がってばっかだからクールダウンした方がいいよな。こいつの視界が真っ暗なのをいいことに耳元で叫ぶ。

　「だーれだ！」

爆「ぶっとばすぞテメェ」

命の危険を感じたのですぐにやめた。切島は俺の立派な盾だ。

ﾐｯﾄﾞﾅｲﾄ「そこ！！静かに！！」

ミッドナイトが壇上に上がる。ちょうどいい。この人の視線も奪…いや借りよう。今回はただ覗くだけ。さっきみたいに真っ暗にすれば即バレる。

ミッドナイトの視界は壇上に上がってくれているおかげか広い。これならテレビカメラの位置も把握できそうだ。カメラに写れば会場の巨大スクリーンにもテレビにも映れる。俺を見てもらえる可能性が増える。

そして選手宣誓。ミッドナイトの視界には怖い顔をしたばくごーが近づいてくる。なんとも言えない表情だが一切プラスの要素が感じられないのはもはや才能と言ったところか。サスガ才能マン。

俺が一位になるだって。しびれちゃうね。やっぱり目の前で見ると迫力がある。ミッドナイトもこれ見てるってことは俺と同じ気持ち？

視界が少し小さくなる。多分笑って目を細めたんだ。全然俺の違う気持ちだったっぽい。ヒーローの感性は意味不明だ。

いそいそと個性を解く。多分バレてない。多分。だって俺の個性は外見では使ってるかどうか判断できないはず…だから。

一回戦目は障害物競走。ここ1週間、俺は何もしてきてないわけじゃなかったんだ。涙が出ないようにする練習とか。涙を止める練習とか。個性の反動、涙さえどうにかなれば奪える視界の制限も小さくなるってお医者サマが言ってたから。

心臓が少しずつ強く鼓動する。だけど笑顔は崩さないまま。頬に熱が集まる。

俺は足が速いわけでも、身体が強いわけでもない。出来ることは視界を奪って覗いて変えること。だから競技でやることは一つ。

みんなの邪魔をしよう！！

　「がんばろ」

切「負けねえぞ！！」

＿＿＿＿

「見てるよアヤトくん」