採取 ページ43
そもそも義爛を救えるとは思ってなかった。服が欲しいなんてバカみたいな理由だけでやってきた。でも俺よりバカな奴がいるなんて思いもしなかった。トゥワイスは最高の馬鹿野郎だ。
「なんで増えてるの？？」
「トラウマ克服したんだよ！！」
そう簡単に治るかよ。でもちょうどいい。コイツ囮にして逃げよう。義爛につけられた縄を解いておんぶしてあげる。
トゥワイスが死柄木さんを複製する。前の記憶のまま複製されているせいで状況を飲み込めてなさそうだったが、俺と目が合ったら優しく笑ってくれた。ギュンッッッ！！！(心臓の音)
複製達が頑張ってる間に行こう。再び個性を使って姿を消す。これ義爛も消せてるのかな。俺だけしか消えてないのなら義爛浮いてるよね。おもしろ。
「しっかり掴まってね。あ、指ないんだっけアハハハハ」
「おじさん困惑…」
さっき小耳に挟んだが、本体の方の死柄木さんがタワーの下に到着したらしい。きっと死柄木さんならぶち壊してくれる。腐り切ったこの宗教タワーをね。
崩壊の伝播がそこの壁まで伝っている。俺たちが崩れる前に行かなきゃ。
「ってことで、飛び降ります！」
「若すぎ…！！！」
前にもこんなことがあった。でも、もう俺の首根っこを掴んでドヤしてくれるヒーローはいなくて。いるのは下で俺を受け止めてくれる哀れな馬鹿野郎。それも、全然悪くないよな。
グシャ
トゥワイス達が潰れる音がした。複製体が溶けた液体から這い出て義爛を起こす。
「い生きてる…」
「服の件なんだけどさ、」
「もう少し生きることの尊さに浸らせて…」
「というかアヤトクン、目が…」
「え？」
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____
「アヤトくんの涙を採取して調べたんじゃが…」
「いつの間に、このクソジジィ」
「ほら、見てみぃ」
投げ渡された試験管を見る。なんか薄く黒い。例えるなら、習字の筆を洗った時に出てくる水みたいな。ほんとにそんな感じの濁った液体が入ってる。
「おまえさんの涙、濁ってるんじゃよ。普通に流す分には分からないほどの濃さだがの。」
「何が混ざってんのこれ」
「アヤトくんの“視覚操作”は使うほど毒が溜まるんだよ。それを涙で排出しておる。」
「あー、この目の色、毒溜まってたからなのか。だから何？」
「それだけ」
「それだけかよクソジジィ」
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⭐︎100＋前作⭐︎200票ありがとうございます！感謝してもしきれません！近いうちに記念のお話あげます！お楽しみに！！
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ゆずな - この作品めっちゃ好きです！続き待ってます( *´꒳`* ) (4月22日 8時) (
レス) @page47 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 連合のみんなと仲良いいのめっちゃ好きです！大好きです！！！ (3月24日 1時) (レス) id: 22eb9a9e70 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - めちゃくちゃ面白いですね！更新がんばって下さい！ (10月9日 0時) (レス) id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
Mika(プロフ) - 小説の中で一番これが好きです。これからも頑張って下さい (2023年4月28日 22時) (レス) id: 0ecb511d32 (このIDを非表示/違反報告)
鞘駄(プロフ) - 魔水さん» ありがとうございます！励みになります (2023年1月10日 22時) (レス) @page2 id: d21a21d4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞘駄 | 作成日時：2023年1月9日 1時
