偶像ファンクラブ ページ41
主人公は女の子を女呼ばわりして平気で騙すクズ男ですが本人に自覚はない上、そのルックスでなんだかんだ許されている一番タチの悪い人間です。そして自分の顔の良さを分かっています。
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俺はわざとらしく顔を覆って啜り泣いて見せた。もちろんフリだけど。女はか弱い俺を見て責任感とかが湧いたのか、より一層やる気を出した。
「私、彩人くんのためならなんだってする！」
「なんでも？」
「う、うん！なんでも！」
バカな女だ。こんなこと俺なら冗談でも口にしない。でも俺は優しいから金寄越せとか貢げとか言わないよ。義爛のところへ連れてってもうんだ。
人質はきっとボスのところにいる。普通に考えればそう。
「一番偉いヒトのところに連れてってほしいんだ。連合から匿ってくれるヒトなんてそれくらいしか思いつかなくて…」
「そ、そうだね。リ・デストロなら可能かも！お優しいあの方なら可哀想な彩人くんも救ってくださるわ！！」
エセ宗教キモっ！！何が異能解放だよ、教祖気取って気持ちよくなってるだけなんじゃねーの？そんな宗教に染まってるこの女もキショい。早く離れたい。
嫌悪も悪態を全部腹に収めて俺は可愛く笑う。健全で健気な少年の笑顔だ。
「あのタワーにいらっしゃるはずよ。ほら、行こ！！」
「教えてくれて、ありがとう」
そういうと女の顔はみるみる赤くなって俺から背けられた。俺のこと大好きなんだな。それじゃ、バイバイ。女が俺を見てないのをいいことに、その場を離れた。
「よし、タワー目指すぞー」
カワイイ笑顔をやめて伸びをする。いい子ちゃんぶるのは肩が凝る。連合に来てからは随分やってなかったからな。俺は俺。いい子ちゃんな俺は死んだんだ。
誰にも気づかれず、まっすぐな道を進む。タワーに近づけば近づくほど敵は増えていったが俺には関係ない。10分もしないうちに到着した。
エレベーターに乗り込み、最上階へ。階段は使わない。
「誰か来たのかな？」
「姿は見えないのにエレベーター乗ったら台無しだ。バカか？」
確かに。それは盲点。でもこれ以上ストレス溜めたくないよね。「世界一可哀想な俺」という存在しない人間にファンがつくいた。あの女、一度もホントの俺を見なかった。ここの人間みんな俺なんて知らない。
そんなのムカつくよな。視界から俺を消すくらいなら俺だけしか見れないようにすればいい。
攫われた悲劇のヒーローは、ヴィランのトコで幸せだよ。
「おっさん、俺服が欲しい」
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ゆずな - この作品めっちゃ好きです！続き待ってます( *´꒳`* ) (4月22日 8時) (
レス) @page47 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 連合のみんなと仲良いいのめっちゃ好きです！大好きです！！！ (3月24日 1時) (レス) id: 22eb9a9e70 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - めちゃくちゃ面白いですね！更新がんばって下さい！ (10月9日 0時) (レス) id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
Mika(プロフ) - 小説の中で一番これが好きです。これからも頑張って下さい (2023年4月28日 22時) (レス) id: 0ecb511d32 (このIDを非表示/違反報告)
鞘駄(プロフ) - 魔水さん» ありがとうございます！励みになります (2023年1月10日 22時) (レス) @page2 id: d21a21d4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞘駄 | 作成日時：2023年1月9日 1時
