身バレ ページ35
エンデヴァーさんが黒い脳無を倒した。正直危なかった。俺たちみんなボロボロだし、街だってただじゃ済んで無い。それでも、格好付けてしまった。
あの子にヒーローの良いトコ、いっぱい見せてあげたいから。
先程のビルの屋上に降り立つ。俺たちが戦った場所がよく見えた。
「やっぱりおらん」
よく考えればわかることだ。あの子が素直に待ってるわけない。心開いてくれたと思ってたんだけどなァ…。
「助けてくれてありがとう」なんて言われ慣れた言葉が、あれほど大きいものになるなんて思いもしなかった。心の中で何度も繰り返し、噛み締めるように頷いた。
「ばり嬉しか…」
「なにが？」
背後から声がした。憎たらしい敵の声。
振り返ると同時に残しておいた羽をその首に向けた。
「…もっと仲良く出来ないかな、荼毘。」
「おいおい、何時間お前を探したか分かってんのか？」
「大袈裟な。10分くらいだろ」
「…。」
荼毘は黙った。
「色々話が違ってた」
「そうだっけ？」
予定じゃ明日、街中じゃなくて海沿いの工場のハズだし、脳無の強さの次元が明らかにこれまでと違ってた。
顔色ひとつ変えない荼毘に苛立ちを覚える。沢山被害が出たんだぞ。お前のツレのあの子だって死ぬところだった。あの子がいなきゃもっと大勢死んでたかも。
「そういうのは予め言っといて欲しいな」
「気が変わったんだ。脳無の性能テストって言わなかったっけ」
俺はまだ信用されてない。連合に取り入るのは想像以上にむずい。あの子を救うのはたぶんもっとむずい。
「まァ、まだボスには会わせらんねぇな」
「…そういや、君のツレは？」
「愛しのボスんとこにでも帰ったんじゃねえの？」
本当に、想像以上の高難易度かもしれない。
_____
___
「エンデヴァーさん調子どうですか。生きててよかったです」
「灼くぞ貴様」
「焦凍くん元気でしたか？」
「…。」
家族仲悪いんだっけ。やべー。謝んないと後がこわいぞ。
「すみま」
「…クラスメイトが帰ってこない、と言っていた」
クラスメイト…？雄英のヒーロー科の…あー、行方不明の子ね。事件が起きた8月からずっと今日まで報道されてる。知らない方が珍しい。イケメンの子だ。不謹慎なファンクラブもあるらしい。
「敵犯罪てんこ盛りみたいな事件の、色取彩人クンでしたっけ」
「体育祭で見たが、視界を操る個性で、焦凍に飛びかかってた」
「血気盛んで大変結構…、あ。」
個性…確定じゃん。
あの子、彩人くんだ。
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ゆずな - この作品めっちゃ好きです！続き待ってます( *´꒳`* ) (4月22日 8時) (
レス) @page47 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 連合のみんなと仲良いいのめっちゃ好きです！大好きです！！！ (3月24日 1時) (レス) id: 22eb9a9e70 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - めちゃくちゃ面白いですね！更新がんばって下さい！ (10月9日 0時) (レス) id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
Mika(プロフ) - 小説の中で一番これが好きです。これからも頑張って下さい (2023年4月28日 22時) (レス) id: 0ecb511d32 (このIDを非表示/違反報告)
鞘駄(プロフ) - 魔水さん» ありがとうございます！励みになります (2023年1月10日 22時) (レス) @page2 id: d21a21d4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞘駄 | 作成日時：2023年1月9日 1時
