鳥の頭 ページ32
「エンデヴァーさん好きな食べ物とかあります？」
めんどくさいインタビューを終えて、エンデヴァーさんを連れて地元に戻ってきた。あの子はテレビを見てくれただろうか。ちょっとでも良いとこ見せれたかな…？
「というか腹減ってます？」
今日も街はいろんな出来事で溢れている。
露出狂、轢かれそうな犬、大きな荷物のおばあちゃん、俺のファンたち。個性の剛翼でいとも簡単に解決してこなして、No.２として適切な振る舞い。
あの子のこともこんな簡単に救えたら。彼の幸せがなんなのか、それ以前に顔も名前も俺は知らない。
分かるのは、良い個性を持っていて、何事にも無関心なこと。あと絶対テキトーに付けた偽名。
長い前髪とマスクで隠れた顔が頭をよぎる。ほとんど見えない顔は顔と言って良いのか？
唯一見えたつまらなそうで、不満そうで、とっても寂しい感じの黒い瞳。
その瞳を、なんで救いたいのか、どうしたら救われるのか、全然分からない。だけど一刻も早く抱きしめて、彼に笑ってほしい。
彼は傷つきすぎている、なんてそれらしい理由を作ってみたり。
「ヒーローが暇を持て余す世の中にしたいんです」
エンデヴァーさんに言う。
そして自分自身に。あの子を救えない俺はヒーロー失格？連合に取り入って、情報のために目の前の事件に目を瞑る俺はホントにヒーローできてるかな？
明日、この街の海沿いの工場に脳無が来る。被害が出る。禄でも無いことばかりだ。
窓の方に目をやると、遠くから何かが飛んでくるのが見えた。猛スピードで近づいてきている。エンデヴァーさんも気付いた。
荼毘、嘘ついたな。
今までとは格が違う、ヤバめの脳無だ。黒い巨体が窓ガラスを割って突っ込んできた。人の多い街中。日時も違う。敵はやっぱり信用ならない。
「ホークス！避難誘導を！」
「了解！！」
ビル内と周辺にいる人間全員を避難、応援を呼んで加勢してアレを倒す。今日のいろんな出来事の中に、あの子もいるんだろうか。
「また明日」って言ったの覚えてるかな。
というか今日も会えるかな。
____
「フードチャン、目標発見したよ。」
「俺にも見せてくれよ」
俺は今、あの脳無の視界を覗いている。そこに映るのはもちろんホークス。とエンデヴァー。轟くんの父親らしい。
「アイツがやられるのを間近で見れるなんて…！VRみてぇ」
ダビさんにも視界を共有してあげると、今までに見たことないくらい興奮してた。色々あるんだな。大人でも。
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ゆずな - この作品めっちゃ好きです！続き待ってます( *´꒳`* ) (4月22日 8時) (
レス) @page47 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 連合のみんなと仲良いいのめっちゃ好きです！大好きです！！！ (3月24日 1時) (レス) id: 22eb9a9e70 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - めちゃくちゃ面白いですね！更新がんばって下さい！ (10月9日 0時) (レス) id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
Mika(プロフ) - 小説の中で一番これが好きです。これからも頑張って下さい (2023年4月28日 22時) (レス) id: 0ecb511d32 (このIDを非表示/違反報告)
鞘駄(プロフ) - 魔水さん» ありがとうございます！励みになります (2023年1月10日 22時) (レス) @page2 id: d21a21d4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞘駄 | 作成日時：2023年1月9日 1時
