嵩張る ページ26
「てか、これ。キミがやったの？」
「ちがう」
そこに転がっている2人を見て、ホークスは俺に聞いた。コイツはヒーローだから、犯罪者の2人はお縄だろう。俺は何もしてないし、証拠もないし、まだ大丈夫だろ。
「…こっちはボコボコ。こっちは気絶してるだけか。キミにこんなパワーがあるとは思えないから、嘘はついてないみたいだね。」
「俺を疑ってたの？とてもショックだ…」
「それは嘘でしょ。」
俺の渾身の可哀想顔を披露したって言うのに適当にあしらわれた。いつもふざけてるくせに今だけお仕事モードですか。
「勝手に殴り合い始めたからびっくりしたよ。」
「それをずっと眺めてたんだ。キミ思ったより悪趣味だな…」
ホークスは羽を遠隔操作して2人をどこかへ運んで行った。あっという間に片付いて、処理の手間は省けた。だけど面倒ごとが追加された。
「お喋り…したいな、チラッ」
「チラ見の視界は奪っちゃう」
「ダァ…！！」
大袈裟なリアクションに俺はくるりと背を向けてその場から歩き出す。ずっと個性を使っていたから、少し目が潤んできた。まだまだキャパは先だけど、俺は涙目を見られたいなんて願望ない。
生憎、今日はマスクしかしていない。ホークスはめんどくさい野郎だから、これを見られれば、よりめんどくさい構われ方をするだろう。呆れと一緒に視界を返す。
「お、戻った。待って帰ろうとしないでよ！」
「家が一番」
「キミん家じゃないでしょー！！」
コイツを無視して、暗くて狭い路地裏を俺は進んでいく。もう歩き慣れた。一方ホークスは大きな翼がかさばるようで、動くのを大変そうにしながら付いてきた。
「また引っかかった、」
ホークスはもたついている。こんなの俺が気にすることじゃないのに、その様子を見ているとイライラしてくる。実際は声しか聞いてないけど。
俺は足を止めてホークスを見る。狭い道を通ろうと試行錯誤したおかしな体勢で、コイツも俺の方を見ていた。互いに見つめ合う時間が続いた。
「…。」
「…。」
俺はその馬鹿らしさにハッとして、すぐに口を開く。
「…何でそこまでして着いてくるわけ？」
「お喋りしたいから」
ホークスはそのままの体勢で答える。顔だけはキリッとしていた。チグハグな顔と体が面白い。何だか楽しくなって、気が変わってくる。
「…わかったよ。少し喋ろうか」
「ホントに！？ヤッタァ！」
ガタッ
「…とりあえずこの体勢何とかして」
「え、あ…うん」
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ゆずな - この作品めっちゃ好きです！続き待ってます( *´꒳`* ) (4月22日 8時) (
レス) @page47 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 連合のみんなと仲良いいのめっちゃ好きです！大好きです！！！ (3月24日 1時) (レス) id: 22eb9a9e70 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - めちゃくちゃ面白いですね！更新がんばって下さい！ (10月9日 0時) (レス) id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
Mika(プロフ) - 小説の中で一番これが好きです。これからも頑張って下さい (2023年4月28日 22時) (レス) id: 0ecb511d32 (このIDを非表示/違反報告)
鞘駄(プロフ) - 魔水さん» ありがとうございます！励みになります (2023年1月10日 22時) (レス) @page2 id: d21a21d4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞘駄 | 作成日時：2023年1月9日 1時
