諦めないハツ ページ24
「ねぇ、キミってヴィランなの？」
「荼毘とはどう言う関係なの？？」
「何歳？」
「ピアス何個開いてんのそれ！？」
「フード取らないの？？」
「俺のことうるさいって思ってるでしょ？？」
「思ってる！！うるさい！！」
「やっと開けてくれた！！」
あの後しばらくはコイツを無視して映画でもみてた。でも横からずっっと喋りかけてきて集中できない。諦めないコイツに耐えかねて俺はカーテンを開けてしまった。
「その映画観たことある。そいつ犯人」
「なっ…」
唯一の暇潰しも奪われた。ケラケラと俺をおちょくる笑い声が許せない。俺の個性で声帯も奪えたらな…。俺はカーテンを閉める気力もなくしてソファーに寝そべった。
「あれ、寝ちゃうの？暇なら俺と喋ろうよ」
「鳥がうるさいぃ…」
とりあえず視界を奪っておいた。俺にはこれくらいしか反撃できないから。奪われてなおコイツはお気に入りの焼き鳥屋がどーとか、上司がどうとか、勝手に喋り続けるけど。
「てか、キミの個性すっごいねぇ、ヒーローとか興味ないの？」
「ヒーロー好きはみんなそう言うよ。」
「あ、もしかしてヒーロー嫌い？地雷だったか」
「ヒーローじゃなくてもアンタは嫌い」
「そんなぁ」
やっぱりみんないっしょ。ヒーローが何よりも正義と思い込んでる。アレが誰かを助けるたびに、名声を得るたびに、俺はジワジワと首を絞められていったのに。
俺を助けるどころか、俺を殺すヒーローが好きなわけない。
立ち上がって、ホークスの前に立つ。何も見えてないのをいいことにフードを取ってヤツの目を見た。
「アンタたちは、全員を救ってくれるわけじゃない。
より良い社会と未来を目指す内に、俺は入ってなかった。」
ホークスの顔が歪む。
「アンタたちは俺を助けない。」
「そんなこと…！」
「そんなこと、あったよ。」
ホークスは口を閉じた。俺はそのことに満足したが、いい気分ではない。
「やっと黙った」
フードを被り直して、個性を解いた。ホークスは酷い顔をしたままだ。
「サイテーな気分。気まずいからどっか行って。」
吐き捨てるように、冷たく言い放った。ソファーに座り直して、つまらなくなった映画を付け直す。主人公と正体を隠している犯人が言い合うシーンが続いた。
「…いいヒーローもいるよ」
ホークスが何か呟く。
「俺、明日も来るから！！」
ホークスは笑顔でそういうと、どこかへ飛び去った。
「いや…、来るなよ…」
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ゆずな - この作品めっちゃ好きです！続き待ってます( *´꒳`* ) (4月22日 8時) (
レス) @page47 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 連合のみんなと仲良いいのめっちゃ好きです！大好きです！！！ (3月24日 1時) (レス) id: 22eb9a9e70 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - めちゃくちゃ面白いですね！更新がんばって下さい！ (10月9日 0時) (レス) id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
Mika(プロフ) - 小説の中で一番これが好きです。これからも頑張って下さい (2023年4月28日 22時) (レス) id: 0ecb511d32 (このIDを非表示/違反報告)
鞘駄(プロフ) - 魔水さん» ありがとうございます！励みになります (2023年1月10日 22時) (レス) @page2 id: d21a21d4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞘駄 | 作成日時：2023年1月9日 1時
