フィンクス編�� ページ46
．
「たく、何やってんだよ、A」
『あ、ははは！びっくりしちゃったほんと、ていうかフィン力強いね？！』
「なっ…、はあ、？？？」
ボロボロと崩れる壁を見て笑うAに、心配して損したとでもいったような表情をするフィンクス。
ちょっとは怯えて暗くなってるかと思ったが、全然なんてことないって調子だな。
ま。コイツはいつもバカみたいに明るくて、悩みごととかそーゆうのとは無縁そうだもんな。
「じゃ、帰るぞー」
そう言って歩こうとした時、服の裾辺りを引っ張られたような気がした。
ん…？とフィンクスは目線を下げると、
『あ、ありがと…ね』
それは、いつもとは違う…Aの姿だった。
服の裾を引っ張っているAの手は、よく見るとすごく震えていた。
いつもの明るい声とは違う、小さくて、少し震えたような弱々しい声。
なのに表情だけは、無理やり笑顔を作っている。
A…。
そういえば、前にAがペットボトルの蓋を開けれねぇことがあって、すげぇー驚いた。
どんだけ力が弱んだよって。
背もオレなんかよりずっと小さくて…。
悩みなんてない奴だと思っていたが、コイツも本当は色々と抱えているのか。
実は、いつも無理して明るく笑ってるんじゃ＿＿。
『うわっなに？！ちょっと…』
フィンクスは震えるAの手を繋いで、突然歩きはじめた。
『え、ちょっと、どうしたの』
歩きながら面白可笑しそうに繋がれた手を揺らすAは、もういつもの明るい笑顔に戻っている。
Aと手を繋いでみて思う。
こんな小さくて細い弱々しい手で、さっきの男共を振り払うことなんて、そりゃ、出来ねぇよな。
「これからは、オレが……守ってやるよ」
『え？なんか言った？』
「べつに」
＿＿オレがコイツのそばにいる理由。
それは………そばにいてやりたいと思うから。
Aが泣きたいとき、辛いとき、オレがそばにいてやりたいって。
また無理して笑顔作らなくていいように、オレが全部受け止めてやるからさ。
だから、オレたちの正体がバレるまでは、それまでは、お前を守らせてくれよ＿＿＿。
『助けにきたフィンかっこよかったよ！』
「へいへい」
クスクスと笑うAに、満更でもない笑みで返事をするフィンクス。
守ってやりたいとか、ほっとけねぇとか、誰かに思ったのは初めてだ。
ほんと………なんでコイツなんだろな。
フィンクスは繋いでいる手に、ギュッと力を込めた。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←フィンクス編��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じゅな(プロフ) - ずっと待ってます！ゆっくりでもいいので更新してくださると嬉しいです！ (4月18日 17時) (
レス) id: 63d6ee7837 (このIDを非表示/違反報告)
あ3 - 更新楽しみにしてます､､､､めちゃ好きです (2022年11月1日 16時) (レス) id: b2be5c4b6e (このIDを非表示/違反報告)
キエラ(プロフ) - 久しぶりに見に来たら更新されてて泣きました(´；ω；｀)これからも更新楽しみにしてます...！ (2021年12月16日 20時) (レス) @page44 id: cdb417a741 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - ナルアさん» ナルアさん…！本当にお久しぶりです！ずっと待たせてしまって本当にごめんなさい ; ; いつもコメントしてくださって本当に支えられています…！そう言っていただけて本当に嬉しいです！ずっと待ってくださっていて本当にありがとうございます！これから頑張ります！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - 名無し76544号さん» 優しいお言葉に本当に心が暖かくなって小説も書こうって思わせていただけます！本当にありがとうございます！少しでも幸せが訪れますようにっ！最近寒くなってきましたので、お体に気をつけてくださいね！更新頑張っていきますね！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mikan | 作成日時：2020年10月4日 13時
