第六十四話「生き物」 ページ22
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「何故、そう思うか？」
フェイタンには、分からなかった。
今までの人生の中で誰かに"会いたい"と思った事がなかったからだ。
自分を産んだ親に会ってみたい。
自分を捨てた奴に会ってみたい。
___何も思わない。
ずっと他人にも自分にも興味がなかった。
だから昨日出会った、ただの一般人に。
きっと漫画やドラマの中じゃモブみたいな立ち位置の女に。何の魅力も取り柄もない奴に。
"会いたい"なんて思っている自分が不思議で仕方がなかったんだ。
「まぁこっちに来いよ」
ノブナガがフェイタンを手で呼ぶ。
自分らと同じように座れと指示をした。
フェイタンは、その指示に多少イラつきながらもノブナガとウボォーギンの前に、胡座をかいて座った。
少し間を空けてノブナガが口を開く。
「オレら生き物ってのは、皆いつか死ぬんだ」
「は？何の話ね？」
フェイタンが少し呆れたようにノブナガ見る。
ノブナガは「いいから黙って聞け」と、声を上げてつっこんだ。
「オレらも他の生き物も皆、いつ死ぬかなんて分からねぇんだ。こればっかりは誰にも分からねぇ」
「何が言いたいね？」
フェイタンは話の意図が掴めず、どんどんイライラが増していく。
眉間にシワを寄せてノブナガを睨んだ。
「ったく、せっかちな野郎だなぁ」
ノブナガは頭をかき小さく溜息を吐いた。
簡潔に言ってやろうと、再び口を開く。
「会いてぇと思った時に会わねぇと、後悔することもあるぜ」
生きているかぎり「死」は必ずやってくる。
だが、その「死」がいつ来るのかは分からない。
寿命で死ぬ人もいれば、事故や病気で死ぬ人もいるだろう。誰かに殺されて死ぬ事も。
その死にかたはその人の運命だったのだろうか。
それがその人の寿命だったのだろうか。
考えたって、答えは出てこない。
一分前まで生きていた人が、一分後には死んでいる。
昨日まで普通に喋っていた人が今日、突然と死んでしまう。
運命なんぞ、誰にも分からない。
分からないからこそ懸命に生きるんだ。
___会いたい人には、会いに行けばいい。
その答えは、きっと"ココ"にある。
悔いのない選択を。
後悔の残らない行動を。
ノブナガは、フェイタンを見つめる。
自分の言葉で固まったように動かないフェイタン。
今、フェイタンが何を思っているのかノブナガには分からない。
まぁ、きっと、伝えたかった事は伝わっただろう。
ノブナガは密かに口角を上げた。
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じゅな(プロフ) - ずっと待ってます！ゆっくりでもいいので更新してくださると嬉しいです！ (4月18日 17時) (
レス) id: 63d6ee7837 (このIDを非表示/違反報告)
あ3 - 更新楽しみにしてます､､､､めちゃ好きです (2022年11月1日 16時) (レス) id: b2be5c4b6e (このIDを非表示/違反報告)
キエラ(プロフ) - 久しぶりに見に来たら更新されてて泣きました(´；ω；｀)これからも更新楽しみにしてます...！ (2021年12月16日 20時) (レス) @page44 id: cdb417a741 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - ナルアさん» ナルアさん…！本当にお久しぶりです！ずっと待たせてしまって本当にごめんなさい ; ; いつもコメントしてくださって本当に支えられています…！そう言っていただけて本当に嬉しいです！ずっと待ってくださっていて本当にありがとうございます！これから頑張ります！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - 名無し76544号さん» 優しいお言葉に本当に心が暖かくなって小説も書こうって思わせていただけます！本当にありがとうございます！少しでも幸せが訪れますようにっ！最近寒くなってきましたので、お体に気をつけてくださいね！更新頑張っていきますね！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikan | 作成日時：2020年10月4日 13時
