第六十六話｢仲間｣ ページ24
．
過去の記憶＿＿嵐の日に起きた出来事を思い返したノブナガ。
ノブナガは過去から現在へと目を向け直す。
二人の少年、ゴンとキルアを密閉された部屋の中で捕らえている"今"に。
＊
「おめぇらここから逃げたいか？」
ノブナガが、数メートル程離れた位置にいるゴンとキルアを見つめて言った。
ゴンとキルアはノブナガの言葉に少し眉を寄せる。
「逃がしてやってもいいが、条件がある」
突然のノブナガの言葉に意図が掴めない、というような表情をするゴンとキルア。
「Aってやつについて教えろ。それが条件だ」
ノブナガの低い声が部屋に響く。
嘘や冗談ではない、そう言っているかのようにノブナガはゴンとキルアを真っ直ぐに見つめていた。
別にAってやつのことを知って、何かをするってワケでもない。
ただ、知りたいんだ。
旅団の中でも一二を争うほど残虐で嗜虐性の強いフェイタンが、嵐の中でも会いたいと思ったやつ。
フェイタンが理性を失うほど怒り出して、フェイタンの目に暖かい光を入れた、そいつ。
例え何人、人を殺していたとしても。
何千、何万とモノを盗んでいたとしても。
誰かのことを"想う気持ち"ってのは、あってもいいと思うんだ。
"想う"ことができるのが人間の長所なのだから。
他人にも、オレら仲間にすらも、あまり興味を示していなかったフェイタン。
そんなお前に人間らしい感情が芽生えたことが、オレは単純に嬉しかった。
そして、オレは単純に会ってみたいんだ。
そいつ＿＿Aに。
「ボウズ。なんでAってやつのことを知りてぇのか聞いてきたよな」
ノブナガは、ゴンを見つめる。
ノブナガの中でその答えは一つしかなかった。
「それは、オレがあいつの………仲間だからだ」
そんなことを言うから、オレは情の厚い男だとか言われるのだろう。
でも大切な仲間のことを知りたいと思うのは、決して悪いことじゃねーよな。
「ふざけるな」
突然、ゴンの声が小さく響いた。
ゴンはフェイタンによって折られた右腕を、強く押さえてノブナガを睨んでいた。
「お前に、Aのことは教えない。絶対に、死んでも教えるもんか」
いつもとは違う、低い声でゴンは言う。
ノブナガにとってフェイタンが大切な仲間であるように。ゴンにとっては、Aが大切な仲間のような存在なのだ。
だから仲間を売ることは、絶対にできない。
ゴンは右腕を強く押さえた。
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じゅな(プロフ) - ずっと待ってます！ゆっくりでもいいので更新してくださると嬉しいです！ (4月18日 17時) (
レス) id: 63d6ee7837 (このIDを非表示/違反報告)
あ3 - 更新楽しみにしてます､､､､めちゃ好きです (2022年11月1日 16時) (レス) id: b2be5c4b6e (このIDを非表示/違反報告)
キエラ(プロフ) - 久しぶりに見に来たら更新されてて泣きました(´；ω；｀)これからも更新楽しみにしてます...！ (2021年12月16日 20時) (レス) @page44 id: cdb417a741 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - ナルアさん» ナルアさん…！本当にお久しぶりです！ずっと待たせてしまって本当にごめんなさい ; ; いつもコメントしてくださって本当に支えられています…！そう言っていただけて本当に嬉しいです！ずっと待ってくださっていて本当にありがとうございます！これから頑張ります！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - 名無し76544号さん» 優しいお言葉に本当に心が暖かくなって小説も書こうって思わせていただけます！本当にありがとうございます！少しでも幸せが訪れますようにっ！最近寒くなってきましたので、お体に気をつけてくださいね！更新頑張っていきますね！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikan | 作成日時：2020年10月4日 13時
