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待てど暮らせど、動悸は治まらなくて、
何なら余計に早るばかりだった。
不規則な呼吸に、酸素の供給が薄くなる。
ぼんやりした頭に浮かぶのはさっきの光景。
楽しそうに笑う彼とこうちゃんの姿。
2人は同郷で歳も近くて、僕から見ても
仲が良さそうだなと前々から思っていた。
今までは何とも思わなかったのに、
こうちゃんの隣にいる彼が僕の知らない顔で、
しかもそれを向けているのは僕じゃないという
事実が如何しようもなく悲しくて仕方ない。
次に思い出されたのは、最近の彼の様子。
初めて身体を重ねたあの日から
少しだけよそよそしくなった彼の態度。
最初は気まずいだけなんだと思っていた。
実際僕も恥ずかしかったりしたし。
けど、２ヶ月経った今でも、彼とはどこか
距離を感じた。精神的にも、物理的にも。
僕が話しかけなきゃ二人で話すことは無くなり
時々一緒に帰ろうと誘っても、
｢すみません、今日は…。｣と、そればっかり。
今現在、20戦20敗。
分かっていた。彼が忙しかったことくらい。
けど、だからといって全てを抑え込んで
平気でいられるほど僕は大人じゃなかった。
彼の全てが欲しくて堪らなくて。
彼の時間も、心も、愛も。
ほんのちょっとでいいから、
僕のものって信じていたかった。
けど、
そろそろ僕だって気付くよ。
嫌われてるって。
飽きられてるんだって。
所詮一目惚れなんてそんなもんだっ、て……っ。
気付きたくなかったし、考えたくもなかった。
けど、1度考え始めると止まらなくて、
いつからか僕から彼に話しかけることは
減っていた。
そんな最中にこんなことがあっちゃ、
耐えられるはずがなかった。
僕とは話す時間も無いのに、
こうちゃんとお喋りする時間はあるんだ。
醜い嫉妬心に自身が飲み込まれていく。
深い闇に引きずり込まれる感覚に悪寒がして
記憶の中の彼の顔がグシャグシャ塗り潰された。
正面からの彼の笑顔が思い出せなくなったのは
いつからだったんだろう。
……折角、久し振りに彼と話が出来ると
浮かれていた僕が馬鹿みたいだ。
もう嫌だ……。
こんな嫉妬深い自分が嫌い。
彼を心の底から信じられない自分が嫌い。
僕を愛してくれない君なんて……っ
大っ嫌いだ──。
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石岡咲枷(プロフ) - 最後のお話、1話目を非公開にしていました。奇妙なところから文章が始まったようなお話になってしまい申し訳ございませんでした。 (2020年6月7日 22時) (
レス) id: 781ede6973 (このIDを非表示/違反報告)
石岡咲枷(プロフ) - 凛さん» いつも読んで頂き有難うございます。中々ない物を書かせて頂ける貴重な機会なのでもっとこのcpが増えるように全力でいい話書きたいと思います！時間がかかってしまうとは思いますが、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2020年6月6日 5時) (レス) id: 781ede6973 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いてます。もし可能であればizw×hysのRが読みたいです。なかなかないCPなのでいずれ書いて頂ければ嬉しいです... (2020年6月6日 2時) (レス) id: 2deacdd7af (このIDを非表示/違反報告)
石岡咲枷(プロフ) - yellowjasmineteさん» あーーーそう言って頂けてとても嬉しいです！作者も書いていて新しい扉開けて状態だったのでとても共感の嵐です。これからもご愛顧下さい。 (2020年6月3日 19時) (レス) id: 781ede6973 (このIDを非表示/違反報告)
yellowjasminete(プロフ) - ヤバイ…個人的に須貝さんは絶対左はやったのに、最新話で新しい扉が開きそうです…( ´_ゝ`)いつも楽しみにしています！頑張ってください！！ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 135d40a35c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：石岡咲枷 | 作成日時：2020年3月24日 0時
