続き→1 ページ2
tmr side:
中々足の動かない拓司に、
不安になって彼の目を覗き込んだ。
｢今日どうしたの？具合悪い？｣
｢そうじゃないんすけど…。｣
とだけ言い、また黙りこくる。
言っちゃ悪いが此方は今ギリギリなのだ。
早くシャワールームに入ってくれないと
このまま襲い掛かりそうな程だ。
何かを言い淀む様子は、明らかに妙である。
隠し事でもあるのか…?
……あぁ、もう限界だ。
痺れを切らして彼の手首を掴み、
ベッドに押し倒した。
かなり慌てた様子だが、今は見えないフリ。
拓司のシャツに手を滑り込ませると、
｢待って…!!!｣と、彼の両手に制された。
手を払った拍子に途中まで外されていたボタンが取れシャツが開ける。
真っ白のシャツの中には、俺がジョークで
置いておいたランジェリーがあった。
目覚めた時に、吃驚するかと思って買った物。
まさか着るとは思ってもみなかったのだ。
しかし、ジョークとは言いつつも
厳選に厳選を重ね、彼に着て欲しいと
思った黒いレースの施されたそれは、
実際目の当たりにすると目眩がする程
伊沢の持つ雌の色気を引き出していた。
最近より一層細く、綺麗になった体躯に
柔く食い込む肩のレースは、
先程から小刻みに震えている。
引き締まった双丘を隠すように掛けられた
薄い布は、彼が身じろぐ度にヒラヒラと動いて
思わず目を引かれる。
擦り合わせられる膝から腿へ手を這わすと、
｢ひっ…!｣と小さく声を上げ、
いっそう震え出した。
｢ねぇ、伊沢。｣
｢…っ、はい……。｣
｢今日1日ずぅっとこれ着て過ごしてたの？｣
｢はいっ……!!｣
｢ふーん…。｣
じわじわと紅く染まっていく頬に手を伸ばすと
彼はギュッ、と固く目を瞑った。
キスをする時にいつもしている事だから、
反射で目を瞑るようになったのか。
その様子が愛らしくて、
態とその顔を見るだけに留める。
暫くして恐る恐る目を開けた彼にぐっ、と
顔を近づけ、｢期待した？｣と囁くと、
出ている全ての皮膚─まぁ今となっては殆ど
出ていると言っても過言ではないが─が
先程とは比にならない早さで染まっていった。
｢ねぇ、…いい？｣
彼を覗き込むと、少し濡れた美しい黒水晶
いっぱいに俺が写った。
不安げに揺れるそれがやけに儚げで、
思わず目を逸らしそうになる。
その時、俺の首に少し冷えた腕が回った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 589人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
石岡咲枷(プロフ) - 最後のお話、1話目を非公開にしていました。奇妙なところから文章が始まったようなお話になってしまい申し訳ございませんでした。 (2020年6月7日 22時) (
レス) id: 781ede6973 (このIDを非表示/違反報告)
石岡咲枷(プロフ) - 凛さん» いつも読んで頂き有難うございます。中々ない物を書かせて頂ける貴重な機会なのでもっとこのcpが増えるように全力でいい話書きたいと思います！時間がかかってしまうとは思いますが、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2020年6月6日 5時) (レス) id: 781ede6973 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いてます。もし可能であればizw×hysのRが読みたいです。なかなかないCPなのでいずれ書いて頂ければ嬉しいです... (2020年6月6日 2時) (レス) id: 2deacdd7af (このIDを非表示/違反報告)
石岡咲枷(プロフ) - yellowjasmineteさん» あーーーそう言って頂けてとても嬉しいです！作者も書いていて新しい扉開けて状態だったのでとても共感の嵐です。これからもご愛顧下さい。 (2020年6月3日 19時) (レス) id: 781ede6973 (このIDを非表示/違反報告)
yellowjasminete(プロフ) - ヤバイ…個人的に須貝さんは絶対左はやったのに、最新話で新しい扉が開きそうです…( ´_ゝ`)いつも楽しみにしています！頑張ってください！！ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 135d40a35c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：石岡咲枷 | 作成日時：2020年3月24日 0時
