第49話 ページ18
「真昼くん、『まいはまあい』をご存知ですか?」
リリイが言った。
頭の中で、漢字に変換してみる。
「はい。『舞浜藍』は、知っています。
サブクラスの、情報屋ですよね?」
「ええ。
それで、彼女のサーヴァンプが、そうなんです。」
「じゃあ、やっぱり・・・」
「貴様、何か聞いているのか?」
「ああ。全然わからないんだけどな・・・。
藍は、自分のサーヴァンプは『消された大罪』だって、言ってたんだ。
大罪について調べてみても、
何にもわからなかったんだけどな。」
と言うと、
「ふっ」
鼻で笑われた。
「貴様、それすらもわからないのか?」
「御園はわかるのか?」
「憂鬱がいるのなら、『虚飾』しかないだろう。」
「俺も、そう思ったんだ。」
「だからいねーって。」
クロが言った。
どこか、焦っているかのように感じた。
「クロ。何か隠しているんですか?」
リリイが、聞いた。
「・・・・なんもねーよ。」
少しの沈黙の後、クロが言った。
「何かあるのなら・・・」
「何もねーって!!」
必死だった。
なんでそんなになるのか、俺にはわからないけど、
それだけは、伝わってきた。
「虚飾のサーヴァンプは、存在しますよ。」
窓の方から、声が聞こえた。
「私が使えるサーヴァンプと主人の許可が出ましたので、伝えに来ました。」
碇のワンポイントと黒いリボンが付いた白い水平帽をかぶった少女が、そこにいた。
「今回は、伝えてこいとの事なので、『見返り』はいりませんよ。」
そう言って、少女は無邪気に笑った。
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作者名:あき | 作者ホームページ:
作成日時:2015年3月2日 15時