第４３話 コスモスSide ページ12
いつになったら大きくなるのだろうと思っていた。
けれど、私が気づかないうちに大きくなっていたんだと、今、気づかされた。
前を歩くAの背中。
何時も何時も見てきた。
いつも私はその背中を見てきた。
小さなその背中に背負っているものは、
今にもAを押しつぶしてしまいそうなほどに膨らんでいる。
その肩の荷が下りるのはいつなのだろうか。
アイツは、いつも誰かのために動く。
それは、城田真昼の影響なのかもしれない。
人を助けたい。
その気持ちが、願いが、Aを苦しめている。
それに本人は気づいていないのだから、どうしようもない。
泣き虫で弱虫だったアイツが、こんなにも強くたくましくなるなんて、思いもしなかった。
でも、いくら強くなったって、
いくらたくましくなったって、
あいつの心までも強くなるわけじゃない。
Aは、いろんなものを背負いすぎている。
お願いだから、私のことも頼ってくれ。
私たちがいつもそばにいて、お前に頼られるのを待っているんだ。
早くそれに気づいてはくれないか？
家族である、私のサブクラス。
そして、私も。
みんなみんな待っているんだ。
Aに頼ってもらえるのを。
どうか一人で、背負わないでくれ。
どうか一人で、我慢しないでくれ。
苦しいこと、悲しいことがあるなら、
いつでも言ってくれ。
甘えてくれ。
急いで『大人』になんてならなくていいんだから。
辛ければ『子供』でいていいんだから。
だから、
お願いだから、
壊れないでくれよ・・・。
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2015年3月2日 15時
