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バイバイしてから２ページ16

及川side

今日は土曜日。部活も珍しく休みだった。

だから、まっきーまっつんと岩ちゃん家に行った。

行ったら、すんなり家に入れてくれた。

岩泉「俺、学校行きたくない。」

及川「なんで！」

岩泉「俺、気付いてた。でも、何も出来なかった。守れなかった。人の命を守れなかった。」

及川「っ....。」

岩泉「Aがどんだけ苦しかったかわからない。でも、そーとうだったと思う。」

どーいう意味かさっぱりだった。

岩泉「知らないだろA、リスカしてた、知らない痣も沢山できてた。」

岩泉「そんな所まで追い詰められてたAを知ってて、何も出来なかった。大事なところで何もできないんだから、そんなの意味無いんだよ。」

岩泉「それでも、Aは弱音を吐かずに頑張ってた。...結局、Aがカッコよかった。何もかも１人でこなしてたAが、青葉城西男子バレー部で１番カッコよかった。他の誰よりも１番だった。」

そこまで言った岩ちゃんは、泣いてた。

初めて見た、泣く姿。

岩泉「それなのに、学校なんて行ける心の余裕が無かった。だから、お前ら凄いと思う。何事も無かったかの様に学校に行ってニコニコして。」

岩泉「お前らが羨ましいよ。」

しばらく、岩ちゃんの泣き声だけが、部屋に響いた。

花巻「岩泉の言っていることは確かに正論だ。Aは嘘を言ってなかった。仕事をしてなかったのは小花だってわかった。」

松川「でも、死ぬってとこまでいかなくてよかったんじゃないかって思う。」

岩泉「その事、Aに言ったか？小花が仕事してなくて、部活を辞めたことをAにちゃんと言ったのか！」

及川、花巻、松川「...。」

岩泉「だよな、言ってないよな。その頃のAの気持ちが分かるか？」

及川「皆、ずっと小花の事を信じてる。今帰っても迷惑かけるだけ。」

岩泉「及川、そうだ。そんな状態で今までの生活をしろって言われても無理だよな。」

岩ちゃんの言葉は、正論で言い返せない。