幼馴染の恋愛事情 【 赤 葦 京 治 】

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「……あの」





扉の前にいると、後ろから小さな声が聞こえた。





「私、バレー部のマネージャーになりたいんですけど…」


「マネージャー？本当っ？」





こくりと頷く彼女は、運動には縁のなさそうな華奢な身体の

とても愛らしい外見。





「いいよ、はいって」


「し、失礼します」





控えめな声に、容姿。

まさにお嬢様という言葉が似合う。





「私は二年の赤城(あかぎ)A。男バレのマネージャー」


「あ、私は一年の如月 真衣です」





(名前まで可愛いなぁ)


天使のような彼女に癒されつつ

マネージャーの仕事を説明していく。





「今は部内でチームつくって、試合中ね」





きらきらとした視線を、その試合を向ける。


そのときちょうど木兎さんが三枚ブロックをよけるために

肩を捻らせてライト方向へ打つ。





「わっ、超インナーコース」





私が呟くと、彼女は「すごい！」と叫ぶ。





「あんなインナーコースに打てるなんてすごい！

初めてみました。しかもレシーブが乱れてトスが少し荒かったのに

あんなの的確なコースに打ち分けができるなんてほんとにすごいです！」





興奮しているのか、少し息が荒い。



今までも私以外にマネがいる頃はあったが、

みんな京治目当てで仕事をしなかったので監督などの権力者が

強制退部させたことが何度もあった。


そういうことがあったので、先輩方から

マネは厳しく見ろを言われていた。


(この子なら大丈夫そう)





「バレー、好きなんだね」


「はい、もちろんですっ」





にっこりと笑う彼女は、控えめなときよりも

断然可愛かった。

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