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「おはよーっ。」

「...うん、はよ。」






普段通り(のはず)の笑顔を向けて

すぐに準備を開始する。



基本的朝は一緒に登校してたけど、

今日からは一人で行こうと思う。


だって、舞衣ちゃんと付き合ってるのに

私と来てたら色々誤解されそうだし。






「...あのさ、A。」






『A』と名前を呼ばれると

胸がきゅうっと痛くなる。






「実はさ、俺...」

「おはようございます!」






扉から元気の良い挨拶が聞こえた。






「舞衣ちゃん、おはよう。」

「...おはよ。」






京治が視線を逸らす。


付き合ってるくせに

なんで恥ずかしがってんだか。






「これ、手伝ってもらっていい?」

「はいっ。」






ネットを両側から引っ張るが

舞衣のほうは上手くいかない。


やはり、男子の力を借りないと難しい。






「あれ...、なんかかたい。」






腕の筋力だけは無駄にあり、

自分の方を終わらせて彼女へと足を向ける。






「京治先輩、ちょっと手伝ってもらっていいですか?」






心臓を思いっきり握られたような感覚。



"京治先輩"


前までそんな呼び方じゃなかった。


私は足を止め、呆然と立ち尽くす。






「...ああ。」






微妙な表情をしながら、彼女に近づく。



京治と彼女の距離が縮み

彼女の紐を持っている手に京治の手が触れた時、






「やっ!!」






静かな体育館に響く私の声。


反響して数秒間、

私の声がぐわんと脳を刺激した。



京治と舞衣は驚いた顔をしてこちらを見ている。






「あの、A先輩、どうかしましたか?」


「あっ...いや、えっと、なんか気持ち悪い虫が飛んできたから、つい...。」






あはは、と乾いた笑いをする。


舞衣も控えめに笑うが

京治だけは笑うこともなくじっと私を見ていた。

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無気力さん(プロフ) - JKさん» 赤葦のイケメンさは、全て使わないと勿体無いので、すごく頑張ってます!笑 夢主ちゃんの感情は、繊細さをだそうと交信するときすごく考えてます笑 更新頑張ります! (2018年4月1日 21時) (レス) id: 14336173ff (このIDを非表示/違反報告)
JK - あと夢主の感情がすごく共感できて、続きが気になります!!更新待ってます! (2018年4月1日 18時) (レス) id: da8b836921 (このIDを非表示/違反報告)
JK - 赤葦のいいところが細かく描写されていて、さらに好きになってしまいます!!ほんとにかっこよすぎですね! (2018年4月1日 17時) (レス) id: da8b836921 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無気力さん | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年10月1日 13時

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