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余裕で勝つという予想とは裏腹に

こちらのチームは苦戦を強いられていた。


京治がいるにしても、他の面子に

問題があると思う。


こちらは経験者が京治一人に対し、

相手はほとんど経験者だ。


こちらの分が悪いのは火を見るより明らかだ。


ギリギリではあったが、

なんとか一セット目は先取した。


京治は疲れた表情をしている。




「A先輩、これはどうなんでしょうか」




いつの間にか隣に座っていた舞衣が、渋い顔で問う。




「なにが?」

「赤葦先輩はいい動きしているのに、
他の人がてんで素人じゃないですか」




むぅっと不機嫌そうな表情。


そう考えて、冷静に、落ち着いて判断できていれば

こんな試合にはなっていないだろう。


意を決し、すくっと立ち上がって

「京治っ!」と叫ぶ。

一気に視線が集まる。




「らしくないプレーしてんじゃないの!
いつも通り、味方の動きもよくみなさいっ!」




言い終えた後の沈黙。


京治を応援していた女子からは冷ややかな視線が送られるが

今はそっちはどうでもいい。


京治は驚いた表情をしてから、ふっと笑う。




「さんきゅ、Aっ」




ニッと笑って拳をこちらに向ける。

そしてすぐメンバーへ話しかける。


マネージャーとしての仕事を終え、いすに座る。




「A先輩、あの、赤葦先輩らしくないプレーって…」




舞衣が横からきょとんとした顔で尋ねてくる。




「京治はいつも、敵も味方さえの動きを把握している。

けど今は、味方が木兎さんみたいな自分をリードしてくれる相手じゃない。

それに焦って、敵にばっか意識がむいちゃってた。

だからあんなんだったの」




呆然としている彼女は、

数秒後に「はあ…」と間の抜けた声をもらす。




「す、すごいです。
あのプレーを見ただけで、そこまで見抜けるなんて…」

「まあ、京治とは何年も一緒にいるから、なんとなく、ね」




そうこうしているうちに二セット目が始まった。

二セット目は余裕の勝利となった。

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無気力さん(プロフ) - JKさん» 赤葦のイケメンさは、全て使わないと勿体無いので、すごく頑張ってます!笑 夢主ちゃんの感情は、繊細さをだそうと交信するときすごく考えてます笑 更新頑張ります! (2018年4月1日 21時) (レス) id: 14336173ff (このIDを非表示/違反報告)
JK - あと夢主の感情がすごく共感できて、続きが気になります!!更新待ってます! (2018年4月1日 18時) (レス) id: da8b836921 (このIDを非表示/違反報告)
JK - 赤葦のいいところが細かく描写されていて、さらに好きになってしまいます!!ほんとにかっこよすぎですね! (2018年4月1日 17時) (レス) id: da8b836921 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無気力さん | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年10月1日 13時

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