【刀剣乱舞】素直になるのは難しい。

7.家庭教師 ページ9

「ただいまー……あっ、鶴丸先生」



「あっ、じゃないでしょ。ほらきちんと謝りなさい」


「そんなの気にしなくていいですよ、お母さん」


家に帰ると母と鶴丸先生が居間で待っていた。


「ほら、早く謝りなさい」


「……すみませんでした」


私は渋々と頭を下げた。


「いえ、大丈夫ですよ。全然気にしてませんから。ほら、Aさん、早く授業始めましょう」


きた


猫被り。



「本当にありがとうございます……、先生。A、先生を部屋に連れていってあげて。失礼のないようにね」


「分かってるってば……」




めんどくさいなぁ、もう。




鶴丸先生は私の家庭教師である。

一見ごく優しい性格に見えるが

それは「親の前」だけ。

それもあってか私の両親は凄く鶴丸先生のことを気に入っている。



「はぁ、で、今日なんで休もうとしてたんだ？」



部屋に入るなり、どっかりとソファに座りやがった。

その顔は如何にも不機嫌そうだった。


「あ、委員会の仕事をしていまして、終わらないかなと……」


とっさに口から出任せを言う。

「お前、なんかあったんだろ。委員会のことなんて滅多に気にすることないのにな」


うん、こりゃあバレてるわ。

どうするかな。


「……まぁなんもないことはないんですけどね」


「だろうな」


やっぱり、というように頷いた。


「でも別に聞かねえよ。めんどくさいし」


って言われると言いたくなるんだよ。

この人私の気持ち分からないのか……。



「とりあえず」



鶴丸先生が続ける。



「そのせいで勉強に支障でるのだけはやめろよ？」


「……はい」


微かに返事をした。

果たして本当に大丈夫なのだろうか……。

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