今でも好きだ SC ページ22
SC「…これ！」
Aちゃんがくれた紙には全員の事が書かれてあった
『これが私にできる精一杯の恩返しです。皆さんにとって宝物のような時間をもう一度過ごしてもらうために』
SC「…でも、」
『なんで渋ってるんですか！ほら、早く行かなきゃ皆さん待ってますよ。私にもいつか歌聞かせて下さいね』
SC「でもAちゃん！」
咄嗟にAちゃんの腕を掴む
『やめてくださいスンチョルさん』
SC「俺、Aちゃんの事諦めなくちゃダメ？」
『だめです。私はどこかの大企業の娘なんかじゃないですから』
SC「そんなの俺がどうにかする。誰にも何も言わせない」
『スンチョルさん、その気持ちは有り難いですけどもう、終わりにしましょう』
その言葉を聞いて悟った。この子はもう振り向いてくれないんだって
最後に1番強い力でAちゃんを抱きしめた
SC「じゃあ俺Aちゃんの事大切に出来てた？」
『はい、とっても』
SC「Aちゃんは、俺といて…幸せだった？」
『この上ないくらいに』
SC「そっか…ならよかった」
俺はAちゃんを手放した。
『さよならスンチョルさん、大好きでした』
そう言った君は悲しそうに、寂しそうに笑って去っていった
本当は今にでも抱きしめたいのに。追いかけなきゃいけないのに体が思うように動かない。視界がぼやけて考えがまとまらない
SC「今でも俺は、大好きだよ」
やっと出た言葉は小さくて、誰にも届かずに消えた。
---
SG「ヒョン！チャニが探してましたよ！会社のどこにもいない…ってヒョン！何泣いてるんですか！？」
帰って早々スングァナに心配された。
SC「俺、会いにいってもいいかな。もう迎えにいってもいいかな」
SG「そりゃ早く行かないとAちゃん手遅れになりますよ」
SC「もう手遅れだったよ。戻って来てくれなかった。もう好きじゃないって、さよならって言われちゃった」
SG「そんな…どうして」
SC「…本気で好きだったんだけどな」
SG「待ってくださいヒョン。じゃあ誰に会いに行くんですか」
SC「あいつらだよ」
SG「…！でも、どうやって」
SC「Aちゃんがくれた。恩返しだってさ」
そう言ってスングァナにもらった紙を渡す
SG「何で…こんな、こんな近くにいたんですか？」
スングァナの目から涙がこぼれ落ちた
SG「Aちゃんに感謝しなきゃですねヒョン」
SC「そうだな」
君の出した結論がそれでもいい
心の整理ができるまでは君を好きでいさせて。
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蓮兎 - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。直ちに対処させていただきました。 (2019年4月9日 17時) (
レス) id: 5f35896a0c (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年4月9日 12時) (レス) id: a6e6d18aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮兎 | 作成日時：2019年4月9日 11時
