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事件が起きたのは、10年程前のこと。ある日、彼宛にとある偉い人物から招待の手紙が届いた。特に怪しいものでもなく、自衛隊やヒコーキたちのイメージアップのための活動の協力をして欲しいというものだった。あきつの職員から許可を得てその人物の元に向かった彼は、数ヶ月後に戻ってきた。戻ってきた当初のことを知る者は少ない。実際に何があったのかも定かではないが、ともかく、彼の性格が大きく変化したのはこのことがあったからだった。この数ヶ月の経験は完全にトラウマになっており、彼は接触恐怖症ぎみに。さらに身近な人間以外への強烈な恐怖を覚えるようになった。
そして経験で「あんな目にあったのは自分が欠陥機で飛べないせいだ。なら飛んで、敵を撃墜して自分は欠陥機ではないと証明すればいい。そうして自分の価値と実力を周りに認めさせればもうあんな目にあうことはない」と強く思うようになり、禁止されている出撃を無断で行うようになった。身体の弱い彼にとっては出撃するのは人間体に非常に負担がかかることであり帰還時は必ず滑走路に降りてそのままぶっ倒れて回収されている。周囲からは止められているが、聞く耳持たずで体調の悪い時にも出撃しようとして本気で阻止されている光景はあきつでは珍しいものではない。さらに出撃により安定していた体調は悪化の一途を辿っている。最近はまた外に出れる日が少なくなり、ほとんど病室か自室にいる。
実は薬も注射も嫌いだが、我慢してちゃんと飲むし打つ。いつもたくさんの薬を常備しており、持ち歩くようのポーチ(手作り)がある。常備薬の他に風邪薬だとか吸入器だとか絆創膏だとか塗り薬も入っている。結構便利。
好物はあるが食べるものは気にしないのでほっとくとカロリー〇イトとi〇ゼリーだけで生活するので怒られる。

人間に恐怖を覚えると言うだけで決して嫌いな訳ではなく、大切にすべき存在であると考えている。ほかのヒコーキ達に対しても自身が欠陥であるというコンプレックスから態度がきつくなっているだけで怪我をしていたら心配するし撃墜されたとなれば心に傷を負って寝込むくらいには大切にしている。只今の彼には、それを表に出すことは出来ないだけである。

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作者名:さりえる大佐 | 作成日時:2021年9月30日 20時

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