時柱は鬼殺隊最強です。【鬼滅の刃】 (ページ9)

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《side無し》

道場に着き、木刀を持った春馬とカナヲは対峙する。

「それじゃあ、始め！」

カナエの合図と共に、両者は動き出す。

「花の呼吸肆ノ型《紅花衣》」

カナヲは、大きな円を描くように斬りつける。
対して春馬は、バックステップで躱しながら木刀を振るう。

「花の呼吸陸ノ型《渦桃》」

春馬の木刀を受け流してから宙に舞い、身体を大きく捻りながら斬りつける。

「時の呼吸弐ノ型《血桜(ちざくら)》」

カナヲの攻撃を受け止めてから、カウンターを仕掛ける。
だが当然カナヲは受け流し、距離を取って息を整える。

「強くなったね、カナヲ。まさか血桜を止めるとは」

「はぁ、はぁ。うん、義兄さんに勝てるように一生懸命練習したよ」

カナヲが息切れしている理由。それは緊張などではない。
義兄の隙を突くために視覚を乱用して、全集中・常中が保てなくなっているのだ。
普段当たり前のようにやっている事が出来なくなると、途轍もない疲労感を感じるのだ。

――例え、それが無意識に起こったとしても。

「(不味い。義兄さんの隙が見つからない……)」

春馬は柱の中でも最強と呼ばれる隊士だ。時の呼吸による名誉だとしても、一般隊士のカナヲよりは素の身体能力や技術は高い。

それ故に、春馬の隙はカナヲでも見つけられない程少ない。見つかったとしても、今のカナヲの実力では隙を突く事も出来ない。

その事を無意識に悟ったのだろう。カナヲは「降参」と、小さい声ながらもはっきりと呟いた。

「そこまで！カナヲの降参により、春馬君の勝利！」

時柱：時渡春馬と、蟲柱の継子：栗花落カナヲの手合わせは、ここに終結した。