世界が続きますように

番外編 完璧な世界 ページ6

番外編です
本編と異なります
本編の話が字数の問題で調整中なので！

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父と喧嘩した。
姉に馬鹿にされた
忘れ物した。
バスに遅刻した。
信じてもらえなかった。
守りたい人を傷つけた
結局自分が好きだった

嫌になってぐちゃぐちゃの部屋に逃げた。

歩いていたかったけれど、すぐ行き止まりにたどり着いてしまう。
きっと、もうダメなんだ。
きっともう終わりなんだ。
部屋の隅にうずくまった。

言葉足らずのこの口も
こんな気持ちも消えてしまえばいい。

沢山話すから『なくして』しまうんだ。
色々なもの、大事だと気づいたもの。

いっそ全部壊れてしまえばいい
何も感じないふりをすればいい。

｢大人になりたくない｣
｢死にたい｣｢消えたい｣
｢生まれ変わりたくすらない｣

毎日を重ねていく度、強くなっていく。
結局全部意味なんてなかった。

春、私は大学生になった。
いつもより毎日が楽しくなった。
それでもどこか悲しかった。

きっともう私は消えたんだ。
感じないふりをしたあの日に。
あんな子なんて消えちゃえって願った日に。

きっと世界に飲まれてしまったんだ。

見せかけの自分じゃ、見せかけの幸せしかない。
誰かがそう言っていたから、そうなんだ。

じゃあ、もうゲームセットでいいよ

やり直すのなんてめんどくさい

昨日人身事故で電車が止まった。
月曜日だ。自分で飛び込んだんだろう。
｢面倒臭いなぁ｣
誰かが呟いた。
私も、それを聞いてそうだなって思った。
最後くらい迷惑かけてもいいでしょって
そんな気持ちが痛かった。

何よりめんどくさい、私みたいだ。

｢今更だ｣
どうせ私は長く生きないと思う。
事故とか病気とか。
それは｢死ぬな｣って言葉が欲しいわけじゃなくって
私が私の人生を決めたなら、絶対そうするから。

でもそれじゃあ遅いよ

初めが神様の陰湿なイタズラなら、最後は私が私自身でつかもうと決めた。
強欲で、貪欲で。

机上の紙に綴った。
『馬鹿みたいな日々だった』

泣いたことも笑ったことも
終わりが来れば一緒なのに。

｢…だから、もういいや｣
窓からからそっと、足を出す。

｢これが私の完璧な人生｣

踏み出した足が宙を舞った。
風が私の体を強く受け止めようとする。
それを拒んで、やっと私は私にもどれる。
そうして私は世界の一部になる

空中で私は必死に手を伸ばした。
｢っはやく！！！｣

一瞬の衝撃とともに私は目を閉じた。

これが私の完璧な世界
これが私の小さな世界

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