世界が続きますように

3.永遠な幸せ ページ3

___地球最後の日お前は何したい？

書類のすみっこに文字を書いた。
｢隼人ー！ご飯だよ！！｣

ドアを開け、嫁…ふっ、、ごほごほ
妻がいつも通り俺を呼びに来た。
｢わかってるー｣
｢もうっ、呼んでも来ないくせにっ｣

食卓にいくと、いつもより少し豪華な食事が並んでいた。

今日、地球が滅亡するらしい。

｢柚希、ほんとに今日が地球最後の日なんだよな｣

柚希は困ったような顔をし頬に手を当てた。
｢そうらしいんだけれど、いまいち実感がわかないね｣

七日前地球が隕石衝突により8月23日、つまり今日、地球が滅亡することが分かった。


｢案外地球って大事じゃねーのな｣
｢…そうだねー、もっと死んでたまるか！ってなると思ってたんだけれど｣

柚希はそう言ってちらし寿司に口をつけた。
｢お前、１日目からいつも通り過ごしてたもんな、他の奴らははわんわん泣いてたりとかしたのにさぁ｣

彼女は大半の人間が困惑に陥っている中(俺も含む)いつも通り朝ごはんを作りいつも通り過ごしていた。
｢あっ1週間後に地球滅亡するらしいからつい高いの買ってみちゃった…ごめんね｣
と言うからダイヤモンドとかを買ったのかなと覚悟したのに、新しいママチャリを見せられた時は思わずふいた。

｢むっ、だってしょうがないじゃない？終わるっていうのにやりたいことがないんだもの｣

｢それなー｣

｢あ！！！｣

彼女があまりに大きな声を出すので、体がびくついた。
｢…どうしたんだよ｣
彼女は明るい顔で言った。
｢ひとつだけあったの！やり残したこと！！！｣

ひらめいた！と言わんばかりだ。

｢…あ、俺もやり残したことあった｣
｢えっそうなの？｣
｢うん｣

それを聞いて柚希はうーんと首をかしげた。



｢いっせーのせで言ってみない？？｣

俺の提案に柚希は深く頷いた。


｢じゃあ！｣





｢｢いっせーのーで！！！｣｣









｢｢

ずっと 想ってる。

好きです！

｣｣









…あぁ、もう無理


｢ちょっなんで泣くのさ〜｣

彼女の子供っぽいところも

少しわがままな所も、変なところで聞き分けがいいところも

笑ってくしゃってなる感じとか



度胸が備わってるところとか、ちょっと抜けているところとか、もう全部






一生君だけを想い続けるだろう





｢柚希も泣くなよ｣





その日幸せな夫婦とともに地球は終わりを迎えた

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