2.緑色の恋 ページ2
｢ユフ君はまた赤点なんですね｣
サラッとした緑髪に白衣の秋保先生は肩を落とした
｢あはは…｣
｢ほかの教科は世界トップクラスなのに…｣
｢トップクラスのドベですよ｣
｢その年でトップクラスに入るってこと自体がすごいんですよ？？ユフくんはもっと自分の才能を認めるべきです｣
教科書を開き、いつものように綺麗な声で歴史の説明を始める秋保先生。
茜が差し込む2人きりの部屋で、秋保先生の息遣いがいつもより近く感じる。
甘い香りがただよう。
この世界で最も少ないとされるさらさらの天然な緑髪。
忌み嫌われる緑髪。
だけど僕はこの緑髪が好きだった。
｢……ユフさん聞いていますか？？｣
｢…あ…えーと、移住計画ですよね｣
｢はい、地球最後の日一部の人間、私達の祖先は宇宙船に乗り、ここ、アイルネシアにたどり着きました…とされています。
実際のことは詳しくはわかっていないのが現状です。距離で言うと_____｣
教科書の図をペンで指す。
僕達は地球という星から来たらしい。
もう何万年も前の話だけれど
宇宙船に乗ることが出来たのは権力を持つ者だけだったとされている。
その数、1万人もいなかったらしい。
世の中権力が全てっていうよね。
｢先生、この星も滅亡する可能性はありますか？｣
｢あります。もっとも地球のような星が滅んでいくのは宇宙規模だと日常茶飯事です。｣
日常茶飯事で僕らは死ぬのか
もしそうなったら地球に取り残された7億9999万の人々と一緒になって、どこかの星にいる僕みたいな学生の補習を増やしていくんだろう。
それはそれでいいかもだけど。
｢少なくとも今の最先端技術ではあなた達が死ぬまでには隕石は衝突しないということになっています。｣
あ、でも秋保先生が死ぬのは嫌だな
｢でも可能性はありますよね？｣
｢もちろんです。｣
｢じゃあもしそうなったら僕と宇宙船に乗りませんか？｣
｢私は緑髪なので宇宙船に乗ることはできません、大人しくこの部屋で死ぬとします。｣
秋保先生は自分の緑髪を指に絡めた
｢世界トップの自分で歩き学べる知識でもですか？｣
｢トップ2もトップ3も最高の歩く知識ですよ｣
｢…じゃあ僕があなたを乗せます｣
｢ユフ君が？？｣
｢ええ、その時は次の星で世界トップの先生が持っている知恵を思う存分出し切ってください。あぁ、その頃にはトップ2かも知れませんが｣
｢…憎まれ口を叩くんですね｣
嬉しそうに微笑んだ
あぁ、だからやめれないんだ
｢もうすぐですよ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふ(´・ω・｀)(プロフ) - 夜桜華さん» ありがとうございます！読みやすいか心配だったので安心しました。夜桜華さんありがとうございます！頑張りますっ、コメント超嬉しかったです！ (2017年4月29日 21時) (
レス) id: e5855951bc (このIDを非表示/違反報告)
夜桜華(プロフ) - すっごい惹き込まれる小説で、先に先にとすいすい読めちゃいます。更新、めっちゃ楽しみにしてます (2017年4月29日 14時) (レス) id: b9d0c2be10 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(´・ω・｀)(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» ありがとうだなんて、、こちらこそありがとうございます！！オリジナル褒められるのは超うれしいですっ！！ほんとにありがとうございます！一生覚えておきます。うれしいです。 (2017年4月7日 21時) (レス) id: e5855951bc (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - 本当に好みどストライクです。世界の終わり方いいです。短編旬なのもまた私の心をわしづかみます。良いものを見ました、ありがとうございました。 (2017年4月7日 17時) (レス) id: 2fca820d76 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(´・ω・｀)(プロフ) - 鯉城@レガシーパイロットさん» ありがとうございます！うわぁぁぁうれしいです。。更新が不定期なのに楽しみにしてくださったとか嬉しすぎて溶けそうです。更新がんばります！ (2017年4月4日 17時) (レス) id: e5855951bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もふ(´・ω・｀) | 作成日時：2017年3月5日 21時
