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卒業生
正直どっちが右でも左でも大丈夫だと思いますが、気持ちはjrhkです。
この設定で二通り書いてしまっていたので、世の中の卒業式より遅れが生じたのは目を瞑っていただけると…！
卒業シーズンですね。私にとって一番身近な人が卒業したので書き始めました。
素敵な春を。
全四話構成。
･
hk side
卒業式を終えて、すぐに駆け出した。
みんな親の元に向かう中、俺一人。来てくれた両親には悪いけど、ちょっと後で。
証書授与中は教員席にいたんだけどな。気付いたらいなくなってて、ちょっとパニックになったっけ。
多分、あの人なら、あそこにいる。向かう先はひとつ。
在校生も含めて、学校の人間のほとんどが体育館にいるから、静まり返った校内で、俺の走る足音だけが響く。
『社会科準備室』が見えてくる。
多分、ここ。
確信はあるようでない。俺が確信を持てるほど、あの人は簡単じゃないから。
…けど、扉を開ける瞬間、少しだけ匂った。
よかった、ここだった。
雑に開けると、心から求めていたその姿を捉えることができた。
｢うお、なに、北斗、｣
｢その間抜けな声もなんですか｣
俺の名前を呼ぶ声に、少し安心した。
うっせぇ、と笑いながら、開いていた窓の方を再び向いた。そして煙が吐き出された。
｢また煙草吸ってる｣
｢…多分、今日で最後だから安心しろ｣
｢そういう問題ですか。いくら社会科の先生だからってここで煙草って、…｣
｢資料にはつかないように窓開けてっから｣
そういう問題ではない。けどこれ以上この話題に割く時間が勿体なく感じて、微笑を浮かべた。
｢証書授与良かったじゃん。二組代表、松村くん｣
｢からかってます？｣
｢いいや、褒めてるよ。もう泣きそうになっちゃったよ。森本ん時よりも｣
｢それは一組の慎太郎に続いたからじゃないですか。俺と慎太郎の力です｣
ふはは、と笑うその人の姿は、窓から射し込む淡い光を受けていて、どことなく儚く感じた。
そして同時に、この人に対する愛おしさも感じるのだ。
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春を待つ【jr×hk】 ページ17
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教師
卒業生
正直どっちが右でも左でも大丈夫だと思いますが、気持ちはjrhkです。
この設定で二通り書いてしまっていたので、世の中の卒業式より遅れが生じたのは目を瞑っていただけると…！
卒業シーズンですね。私にとって一番身近な人が卒業したので書き始めました。
素敵な春を。
全四話構成。
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hk side
卒業式を終えて、すぐに駆け出した。
みんな親の元に向かう中、俺一人。来てくれた両親には悪いけど、ちょっと後で。
証書授与中は教員席にいたんだけどな。気付いたらいなくなってて、ちょっとパニックになったっけ。
多分、あの人なら、あそこにいる。向かう先はひとつ。
在校生も含めて、学校の人間のほとんどが体育館にいるから、静まり返った校内で、俺の走る足音だけが響く。
『社会科準備室』が見えてくる。
多分、ここ。
確信はあるようでない。俺が確信を持てるほど、あの人は簡単じゃないから。
…けど、扉を開ける瞬間、少しだけ匂った。
よかった、ここだった。
雑に開けると、心から求めていたその姿を捉えることができた。
｢うお、なに、北斗、｣
｢その間抜けな声もなんですか｣
俺の名前を呼ぶ声に、少し安心した。
うっせぇ、と笑いながら、開いていた窓の方を再び向いた。そして煙が吐き出された。
｢また煙草吸ってる｣
｢…多分、今日で最後だから安心しろ｣
｢そういう問題ですか。いくら社会科の先生だからってここで煙草って、…｣
｢資料にはつかないように窓開けてっから｣
そういう問題ではない。けどこれ以上この話題に割く時間が勿体なく感じて、微笑を浮かべた。
｢証書授与良かったじゃん。二組代表、松村くん｣
｢からかってます？｣
｢いいや、褒めてるよ。もう泣きそうになっちゃったよ。森本ん時よりも｣
｢それは一組の慎太郎に続いたからじゃないですか。俺と慎太郎の力です｣
ふはは、と笑うその人の姿は、窓から射し込む淡い光を受けていて、どことなく儚く感じた。
そして同時に、この人に対する愛おしさも感じるのだ。
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作者名：更紗 | 作成日時：2023年2月2日 12時
