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前話更新の際に変えたので今更な話ですが、お話を章分けさせていただきました。
全体的な構想は済んでいますが、完全に後付けなので、あとから変更する箇所が出てくるかもしれません。
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「…え、」
「? どうしました、松村さん」
「今日、京本と二人だけ?」
「えっと、はい」
「……」
そんな会話を交わしたのは、数分前、送迎車の中。
別に気まずいとかそういうわけではない。それは断じて違う。
ただ、二人きりなのが慣れないだけだ。
「普通に入ればいいし。うん」
何を怖がってるんだろう、こういう時、本当に俺って陰キャだなぁと実感する。
会話ないんじゃないかな、俺と二人って向こうも嫌じゃないかな、なんてマイナスに想像してしまうところ。
…やっぱり、最初はおはよう、だよな。
そう思いながら、指定されたドアを開けかけた時だった。
「きょも〜、まじでごめんなぁ」
「いいって、ほんと、気にしないで」
聞こえるはずもない声が聞こえた。
…樹。え、なんで? 頭の中でぐるぐると回った。樹がいるはずがない、のに。
え、今日二人だけ、だよな。京本と。
「さっきから謝りすぎ。こうしてもらえるだけで好いんだから」
「ならいいんだけどさー、きょもが心配で心配で堪らなくてさ」
「もう、大丈夫だったのに。…なんか、やっぱり樹って落ち着く」
「ん、そう?」
間違いない。間違いなく樹。そして京本。いや、京本はそりゃいるだろう。…樹は? 樹はなんで?
…それに、開けかけたドアから一瞬見えた光景。距離が近かった二人。…ハグ、だったり?
心が堕ちていく気がした。
「あ、そういや北斗は? 北斗ときょもの二人だよな?」
「えっと、確か、二十分遅れて出発だって。…それこそ、二十分くらい前に連絡来てた」
俺の名前が出てきても、未だドアの前で立ち尽くしてしまう。
「…んじゃあもうすぐじゃん」
「うん。あ、もう帰るの?」
「帰るっつーか、俺も仕事あるしな。心配で寄っただけ」
「そっか、北斗には会っていかないの?」
「…あー、まぁ。なんでここにいんのってなるだろ」
「それもそっか」
いや、もうなんでってなってるよ、樹。
とりあえず、樹はもうこの部屋を去る。そんな会話をしてる。
俺はこのまま立ち尽くしてちゃいけない。なんとなく、ここにいたのがバレちゃいけないんじゃないか。
そう思って、音を立てないように意識しながらその場を離れた。
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更紗(プロフ) - るなさん» 心躍るようなコメントありがとうございます…!そう言っていただけて光栄です!添削等も含めると一話ずつの更新が多くなってしまうのですが、気長に待っていただけると幸いです…!これからもよろしくお願い致します! (2023年4月11日 1時) (レス) id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - お話凄く好きです、一気に数話読みたい気持ちもありますが更新楽しみにしております、頑張ららてください^ ^ (2023年4月10日 22時) (レス) @page42 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
更紗(プロフ) - RUUさん» 暖かいコメントありがとうございます…!嬉しい言葉ばかりが詰められていて私としては嬉しい限りです!ストックがないと公開する気にならないのでどうしても間隔が空く時があるかと思いますが、どうか見守っていただけると幸いです…!ありがとうございます! (2023年3月28日 1時) (レス) id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
RUU(プロフ) - すごく好きな作品です…(*'ω'*)毎日更新を楽しみにしています!応援しています! (2023年3月27日 23時) (レス) @page38 id: 597d6560a7 (このIDを非表示/違反報告)
更紗(プロフ) - 蓮さん» 素敵なコメントありがとうございます…!私もこのおふたりが大好きです…!更新が滞ってしまったり、おふたりの供給による気まぐれ更新があったりするかもしれませんが、是非お待ちしていてください…! (2023年3月22日 2時) (レス) id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗 | 作成日時:2022年12月25日 21時