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｢あ、北斗、なんでいんの？｣
逃げ遅れた俺は、そのまま戻ってくる樹に腕を掴まれる。
｢あ、…ごめん｣
｢いや、別に謝ってほしいわけじゃねぇんだけど。鼻大丈夫か？｣
｢…うん、大丈夫｣
てっきり怒られるかと思っていたから、優しい言葉と笑顔に、少しだけ困惑した。
｢あ、ねぇ、樹、今のって何？｣
｢んー、ガイディングについての、助言？｣
いや、助言っていうのはわかってるんだけど。
｢いつもみたいにさ、樹がガイディングしたらよかったのに｣
いつも、仕事先でゾーンに陥ってしまったり、感覚の調子が悪い人がいると、樹が率先してガイディングを行っていた。
さっきの場面を見て、まず思い浮かんだ疑問だった。
｢あー、多分、あの二人ボンド結んでんだよ｣
｢…え、ボンド？｣
｢流石に遠かったから見えてないか。あの二人、同じ結婚指輪してたんだよ、大体の場合、夫婦はお互いにボンド結んでるから｣
それに、調子が悪いのなら別のガイドからガイディングを受ければいい、それなのにあの人で続けていたなら、ボンド関係にある可能性が高い、と樹は続けた。
そっか、ボンドをしているなら、樹はその間に介入することが出来ない。
だから、せめてもの助言っていうわけか。
｢愛する人からの暴言ってさ、中々心にくるだろ、二人の最初の失敗がなんだか知らねぇけど、多分それが原因で、夫の方の精神が弱っちまってんだよなぁ｣
｢……じゃあ、樹の助言で、二人の仲とか、回復するといいね｣
｢まぁ、かなり愛し合ってるんだろうし、大丈夫だろ。あの一言ですぐに気付けるってことは｣
樹、慣れてそうだったな。こういう事態に。
センチネルのガイディングも、ボンドをしていた際の助けも。
｢あ、そういえば、なんで旦那さんの方は、｣
｢あー北斗！ ごめんちょっとトイレ、｣
目の前で手を合わせた樹は、慌ただしくトイレの方向に向かった。
…行っちゃった。
聞こうと思ったんだけどなぁ、なんで旦那さんは、奥さんの奴 隷みたいだったの、って。
奴 隷という言葉選びは悪い気がするが、それ以外に言葉が見つからない。
何もかも、奥さんを優先している感じ…。
まぁ、そんな夫婦もいるだろう、そう思うようにした。
けどなぜか、それが気になって仕方がなかった。
それが、ボンドを交わしたが故だと知るのは、もう少し後のことだった。
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更紗(プロフ) - るなさん» 心躍るようなコメントありがとうございます…！そう言っていただけて光栄です！添削等も含めると一話ずつの更新が多くなってしまうのですが、気長に待っていただけると幸いです…！これからもよろしくお願い致します！ (2023年4月11日 1時) (
レス) id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - お話凄く好きです、一気に数話読みたい気持ちもありますが更新楽しみにしております、頑張ららてください^ ^ (2023年4月10日 22時) (レス) @page42 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
更紗(プロフ) - RUUさん» 暖かいコメントありがとうございます…！嬉しい言葉ばかりが詰められていて私としては嬉しい限りです！ストックがないと公開する気にならないのでどうしても間隔が空く時があるかと思いますが、どうか見守っていただけると幸いです…！ありがとうございます！ (2023年3月28日 1時) (レス) id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
RUU(プロフ) - すごく好きな作品です…(*'ω'*)毎日更新を楽しみにしています！応援しています！ (2023年3月27日 23時) (レス) @page38 id: 597d6560a7 (このIDを非表示/違反報告)
更紗(プロフ) - 蓮さん» 素敵なコメントありがとうございます…！私もこのおふたりが大好きです…！更新が滞ってしまったり、おふたりの供給による気まぐれ更新があったりするかもしれませんが、是非お待ちしていてください…！ (2023年3月22日 2時) (レス) id: ede94865a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：更紗 | 作成日時：2022年12月25日 21時
