第陸拾伍話 ページ23
・______
Aside
炭治郎「____……っていうことがあって、俺は禰豆子を人間に戻す為に鬼殺隊に入ったんだ」
炭治郎の過去を話を聞いて、ただただ悲しくなった。
家族を鬼に殺され唯一生き残ったと思った妹が、鬼になっていたなんて……そんな酷い話はない。
そして何よりも私の心を悲しませたのは、過去の話をしている時の炭治郎君から伝わってくる感情。
炭治郎「……でも!今は善逸や伊之助、それにAもいるから楽しいし、禰豆子も竹筒を噛んで日中は木箱の中にいるとしても俺は
『もう大丈夫だから…』
……!!」
なんで、そんな顔で笑ってるの。どうして悲しいって言わないの。どうして………我慢するの?
炭治郎君に自分が何も出来ない不甲斐なさと、色んな感情がぐるぐると頭を駆け巡り、つい大きい声が出てしまった。
炭治郎「……俺は、長男だから大丈夫だ」
と下手な笑顔で笑う。
……あぁ、分かった。彼はずっと“長男”だから我慢してきたんだ。
『炭治郎君、ちょっとこっち来て』
炭治郎君は疑問を浮かべながら、私に近づく。
私はそんな炭治郎君の頭を優しく撫でた。
『よく、頑張ったね』
炭治郎「……ッ!!」
そう言った瞬間、炭治郎君の綺麗で大きな目から涙がポトポトと落ちた。
炭治郎「あッ…え、その……ごめッ……これは…」
『いいんだよ、泣いても。今は誰も見てない。……長男になる必要はないよ』
炭治郎君を強く抱き締めながらそう言うと、腕の中で炭治郎君は声を上げる事こそ無かったが静かに泣いていた。
***
ポンポンと背中や頭をあやす様に撫でていると、炭治郎君の感情が辛い 悲しい等から恥ずかしい という感情に変わった。それは見計らって声を掛ける。
『落ち着いた?』
炭治郎「……あぁ、もう大丈夫なんだが……えっと、……撫でてくれるのは嬉しいんだが、少し恥ずかしいんだ」
『へ?なんで?』
炭治郎「俺は長男だから、撫でられ慣れてない上に……年下に撫でられていると思うと…」
そう顔を真っ赤にしながらいう炭治郎君はとても可愛いんだが、それよりも今聞き捨てならない言葉が聞こえてきた気がする。……年下?
『1つ炭治郎君に聞きたいんだけど、……私の事何歳だと思ってる?』
炭治郎「?俺達と同い年か、一つ下だと思ってたんだが……違うのか?」
おぉう…………まじかよ、まじかよ炭治郎君。
381人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凪(プロフ) - ポメラニアン。さん» まさいちくんって誰だよって感じですね......笑笑 報告ありがとうございます!! (2019年12月28日 23時) (レス) id: 409305a4c2 (このIDを非表示/違反報告)
ポメラニアン。 - 伍参話(10ページ)の夢主の最初のセリフに"まさいちくん"と入っているんですが、多分″しょういちくん″だと思います。今更でごめんなさい!更新頑張ってください! (2019年12月28日 22時) (レス) id: c29d72685c (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - はるなさん» そう言っていただけると、何よりも嬉しいです!!頑張ります! (2019年11月19日 19時) (レス) id: 929661d3b8 (このIDを非表示/違反報告)
はるな - 更新楽しみです!!続きが気になる...!! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 1483860edb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凪 | 作成日時:2019年11月6日 23時