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第捌拾弐話 ページ40

・____



『____天の呼吸 壱ノ型 天叢雲』



スパンっと斬れた糸はパラパラと地面に落ちて、隊士達も地面にドサッと倒れた。



直ぐに傍に駆け寄り、脈を確認した。



『(…この人だけ…まだ生きてる。)』



来るのが遅かった。まだ息があるのは、この女の隊士ただ1人だけだった。



女隊士「…ぁ、天柱様…ありが…とう、ございます…」



女の隊士は涙を流し、そう言った。



『無理に喋らなくていいです、…来るのが遅くなって、ほんとごめんなさい』



女隊士「…!」



生きていると言っても、この女の子の隊士は見る限り息があるのが不思議なくらい酷い怪我をしている。多分、糸で操られていたから骨が折れようと関係なしに動かされていたのだろう。腕があらぬ方向へ曲がっていた。



このままここに放置するのもあれだし、どうしよう…と困っていると、



女隊士「私は、大丈夫です…天柱様、行ってください。」



女の隊士は私を虚ろな目で見て、そう言った。




『……ッ分かりました。____ありがとう。』



あの人をここに置いていく.….と言うのはつまり、あの人に待っているのは“死”だけだ。



私は唇を噛み締め、その場を離れた。


女隊士side


訳が分からないまま操られる自分の身体。骨が折れても、内臓が潰れても動き続けて仲間を斬る。



「(私は、ここで死ぬんだろうな…)」



そう思った。そして、



『天の呼吸 壱ノ型 天叢雲』



と言う声と共に、身体の力がフッと抜けて地面に倒れ込んだ。



誰が助けてくれたのかも、確認できない。身体が全く動かないのだ。何とかして顔をうごかし、助けてくれた人物の顔を見た時、安堵で涙が零れた。



女隊士「…ぁ、天柱様…ありが…とう、ございます…」


私を助けてくれたのは天柱様だったのだ。天柱様は、一般隊士の私に向かって、『来るのが遅くなってごめんなさい』と謝った。



柱である貴方が、一般隊士の私に向かって眉を下げて謝っていた。そんなのあっていいはずがないのに。



天柱様は柱の中でも1番友好的で、一般隊士達から好かれていた。それにとても優しいのが伝わってくる。



その証拠に、怪我で動けない私をどうしようか考えている。だから私は力を振り絞って声を出した。



女隊士「私、は…大丈夫です…天柱様、行ってください…」



私がそう言うと、目を見開き少し泣きそうな顔をして天柱様は山の奥へと消えていった。









あぁ……最期に、天柱様に会えてよかった

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(プロフ) - ポメラニアン。さん» まさいちくんって誰だよって感じですね......笑笑 報告ありがとうございます!! (2019年12月28日 23時) (レス) id: 409305a4c2 (このIDを非表示/違反報告)
ポメラニアン。 - 伍参話(10ページ)の夢主の最初のセリフに"まさいちくん"と入っているんですが、多分″しょういちくん″だと思います。今更でごめんなさい!更新頑張ってください! (2019年12月28日 22時) (レス) id: c29d72685c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はるなさん» そう言っていただけると、何よりも嬉しいです!!頑張ります! (2019年11月19日 19時) (レス) id: 929661d3b8 (このIDを非表示/違反報告)
はるな - 更新楽しみです!!続きが気になる...!! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 1483860edb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年11月6日 23時

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