誘う ページ17
YN「サクラソウ…」
その時初めて聞いた花の名前だった
桜は知ってはいるけれど
サクラソウは知らなかった
見れば、なんとなく桜に似ているような…似ていないような…
「ふふふっ(笑)」
ずっと花を見つめていた僕を、彼女は笑った
YN「えっ？どうしたの？」
「あっ！ごめんなさい。なんだか…そんなに真剣に花を見ている人を見たのは初めてっていうか…」
YN「あぁ…そうだね(笑)あはは…」
「ふふふっ(笑)」
まだ誰もいないオフィスで、僕らの笑い声だけが聞こえる
窓辺に置かれたサクラソウの向こうには
もう動き出している人たちがいて
それを見下ろしている僕らが居る
ガラス一枚隔てたこの空間は
そんな喧騒が届かないくらいに静かで
僕らだけの空間だった
YN「あぁ…良かったら、一緒にカフェに行かない？」
「えっ…？」
YN「さっきのコーヒーのお礼。さっきのコーヒーみたいに美味しいコーヒーを
今度は僕がご馳走するからさ」
コーヒー一杯をご馳走するなんて大袈裟だけど
もっと彼女と話しをしてみたくて
密かに下心を持ちつつ、彼女を誘った
「そんなっ！お礼なんてっ！私のはインスタントですしっ！
それに高いものじゃないんですっ！」
早口でそう言った彼女は、両手を振りながら遠慮をしている様に
僕の誘いを断った
YN「でも美味しかったから。いつものここのコーヒーよりもずっと」
「あはは(笑)私もここのコーヒーが少し物足りなくて。
皆さんに配るときは、ここのコーヒーを淹れるんですけど
自分はこっそり違うのを飲んでたんです(笑)内緒ですけど」
YN「そうなのっ！？あははっ！そうなんだぁ(笑)」
彼女と話していると、なんだか楽しい
変な駆け引きもなく、何も伺うこともない
まるで駆け抜ける風のように
すっと、僕の胸の中に入って行くような
そんな感覚だった
YN「あ！さっき食べてたのって、朝ごはん？
じゃぁ、お腹いっぱいだった？」
「えっ！？//なんでっ…」
YN「たまたま…偶然っ！通りかかったら、居たから…」
本当は偶然なんかじゃないけれど…
僕の誘いに遠慮したのは
もしかして、お腹いっぱいだったのかな？
さっき見た彼女の幸せそうな横顔を思い出して
どう誘えば彼女がOKしてくれるのかを考えていた
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裕(プロフ) - あみさん» 今コメントに気付きました！ごめんなさい<(_ _)>遅すぎるお返事お許し下さい！まだ読んで下さっていてくれるでしょうか？これからも宜しくお願い致します<(_ _)> (2018年1月19日 16時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - 裕さんの書かれている小説、どれもこれも大好きです！いつもうるうるしながら読ませてもらってます。ありがとう！これからもお願いしますね！ (2016年8月6日 10時) (レス) id: 8871346393 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - アンジュさん» 読んで頂いてありがとうございます(*´-`)続きも是非♪ (2015年4月29日 21時) (レス) id: 7b66b690be (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - もとじゅんさん» コメントありがとうございます(*´∀｀)一度でいいからイケメンと付き合ってみたいもんです(爆) (2015年4月29日 21時) (レス) id: 7b66b690be (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 今日、初めて、こちらを、読ませてもらいました。私が、泣きそうです。（ ; ; ） (2015年3月19日 15時) (レス) id: 6b3037758e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕
| 作成日時：2014年9月13日 0時
