隙 ページ12
YN「いいえ」
まだ落ちている手鏡やらを広い、彼女へと渡すと
彼女はそれを受け取った
『ありがとう。拾ってくれて』
そう言いながら立ち上がり
顔にかかった長い髪を耳にかけ
僕を見上げるように顔を上げた彼女
彼女が付けている香水の香りに
思わず、眉間に力が入る
YN「あぁ、いいえ」
そう言って、元の椅子へと戻ろうとすると
『あの』
その彼女は僕に話しかけてきた
『ここへは泊り？』
YN「あぁ…そうですけど」
よく見れば、その彼女は僕よりも少し年上に感じた
長く伸ばした茶色の髪をカールさせて
胸元の開いた、スタイルの良い体にフィットしているワンピースの上に
薄いカーディガンを羽織っている
大きな瞳に、長く伸びたまつ毛
そして、艶めく唇
Aに出会う前の僕だったら
多分…目の前の彼女はタイプの範疇だっただろう
『私もこの近くのホテルに泊まっているの。
もし良かったら、一緒にお酒でもどうかしら？』
YN「あの･･僕は…」
『これ。私の携帯の番号なの。
…連絡、待ってる』
YN「…。」
ほんの数秒
彼女は僕に番号の書いたメモのようなものを渡すと
すぐにその場からいなくなってしまった
慣れている
そう感じた
YN「はぁ…。」
椅子に座り、もらったメモを指に挟んで空に透かして見た
自分はそんなに隙があるのだろうか？
だとしたら…少しショックだな…。
そのメモをくしゃっと丸めると
空になったカップに入れて、ゴミ箱に捨てた
「ユノーっ！お待たせしちゃってっ」
Aの声に振り向くと
少し小走りに僕の所へとやって来た
YN「さっ！そろそろホテルに戻ろうか？」
「そうだね！少し肌寒くなってきたね」
YN「夕食までゆっくり休もう」
「うん」
僕はAの腰に手を回して
そっと引き寄せた
「//ユノ？」
YN「Aって、良い匂い♪」
「えっ！？//なっ！なにっ！？急にっ！」
YN「ははっ！(笑)さっ！帰ろっ帰ろっ♪」
「えぇーっ！？何ーっ？？」
YN「あははっ(笑)」
Aの香りは、シャンプーの香りが微かに香るくらい
香水も何も付けていない
それでも、Aの肌の香りはほんのり甘くて
僕はいつもその香りに夢中になる
Aには、香水も長いまつ毛も
必要ない
僕はAを作る全ての物が好きだ
だから、僕はA以外
興味がない
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裕(プロフ) - あみさん» 今コメントに気付きました！ごめんなさい<(_ _)>遅すぎるお返事お許し下さい！まだ読んで下さっていてくれるでしょうか？これからも宜しくお願い致します<(_ _)> (2018年1月19日 16時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - 裕さんの書かれている小説、どれもこれも大好きです！いつもうるうるしながら読ませてもらってます。ありがとう！これからもお願いしますね！ (2016年8月6日 10時) (レス) id: 8871346393 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - アンジュさん» 読んで頂いてありがとうございます(*´-`)続きも是非♪ (2015年4月29日 21時) (レス) id: 7b66b690be (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - もとじゅんさん» コメントありがとうございます(*´∀｀)一度でいいからイケメンと付き合ってみたいもんです(爆) (2015年4月29日 21時) (レス) id: 7b66b690be (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 今日、初めて、こちらを、読ませてもらいました。私が、泣きそうです。（ ; ; ） (2015年3月19日 15時) (レス) id: 6b3037758e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕
| 作成日時：2014年9月13日 0時
