Ep.62 やり直せる ページ24
You side
『…柿原さんもさ、溜め込まないで私に話してくれて構わないから。』
柿「っへ？」
急にそんな事を言ったものだから、あっけらかんとした表情を見せていた。
『なんか今日、心が疲れてるんじゃない？』
さっきから若干気づいていた柿原さんの違和感をここで指摘した。
きっと、入りたてでヒヨコの私を不安がらせないように必死に繕ってるんだ。
でも柿原さんも一人の人間。
悩みだってあるだろう。
アーティストとマネージャーだからって一線を引かないで欲しい。
『確かにさ、私達は仕事仲間だし、そこまでって言われたらおしまいなんだろうけど、』
私は初めて柿原さんの目を自分の目で捉えながら話した。
『私は柿原さんに気を使って欲しくないし、友達みたいに接してくれる柿原さんが好き。だから、頼って欲しい。私の事も。』
心からの声だった。
こんなにも寄り添ってくれて、これから先もずっと一緒に歩んでいくであろう人に遠慮なんてして欲しくなくて。
そんな私の願いに泣きそうな顔をチラつかせた柿原さんは、赤信号で停車した時に、重たそうな口から言葉を紡いだ。
柿「……会議の事なんだけど。」
『…会議、ね。』
柿「早くも処遇が決まった。」
『！…っ、そっか。』
柿「活動自粛。無期限にはならなかったけど…結構役員の人達がご立腹で。」
『役員？』
柿「うん。上層部のね。今日はその人達と滝沢さんと私と照の専属マネ…沢山の人と会議をしたの。」
色々と事細かに聞いていくと、要は役員の人達の声がいつも大きくて意見を通しがちだったのを見越して大体最近は滝沢さんが鎮めるのだが
今回の件に関しては滝沢さんも十分にメンタルをやられていて役員を止める労力もなかったと。
それで色々と揉めた挙句時間がかかったみたい。
柿「あんの役員の人達…辞めさせるって平気で言うんだもの。」
『や、や、辞めさせる…？』
柿「そう。おかしいと思わない？人間1つや2つ、過ちは犯すもの。それを許してはいけないとは思うけど、チャンスを奪うのもどうかと思わない？」
それは、ご最もだと思う。
何かを壊してしまった子供に、罰として夜ご飯抜き、と課したとしても
それがこれから一生ご飯が与えられないとなると、それはもうどうしようもない。
(滝沢さん、大丈夫かな。)
そんな呑気な事を思いながら、人の喧騒で溢れているライトアップされた夜の街を窓から見つめた。
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パスタ好きのさらさん(プロフ) - *神奈月*さん» なんと！嬉しいお言葉ありがとうございます…！泣 作者本当に亀更新癖がありまして、お待たせして申し訳ないです…。これからもお楽しみ頂けるように頑張りますので、変わらずのご愛読のほど宜しくお願い致します！ (2020年8月18日 12時) (
レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
*神奈月*(プロフ) - コメント失礼致します！！とても面白いお話でついつい何度も読み返しちゃいました！！更新楽しみにしています！頑張ってください(*^^*) (2020年8月17日 4時) (レス) id: fbe34a81c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パスタ好きのさらさん | 作成日時：2020年6月3日 8時
