onceからTWICEのライバルグループになりました。

自らの手で ページ43

ジョンヨンside







ジョ［ジリョナ……］









あの子は本当にすごいと思う。
1回もMinorに落ちずに……。









私なんかはモモが脱落した影響を全面に受けて左右されて、パフォーマンス精度が劇的に落ちて。









ネットでは叩かれているところを見てしまった。









だから私はあの子が羨ましくて、


嬉しかった。









こんな子が我らの妹なんだなって
でもさ。




PD〈……〉









ジョ〈あの。〉









これは流石にないでしょ、PD、いや、









パクジニョン氏。









ジョ〈……これはおかしいです〉





皆の目線が集まる。
キョドっている目線が。









PD〈……。〉
ジョ〈ねぇPD氏、これは、あまりにもないでしょ？〉







ジョ〈これはおかしい。〉






PD〈……〉



ジョ〈ねぇってば！！〉









うん、明らかにおかしい。




私が選ばれてるのに、なんで紙には









【シン・ジリョン】









あの子の名前が……？









ありえない。








嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ









司会〈……ジョンヨンさん。お気持ちはわかりますが、進行の都合上……これ以上は待てません〉

ジョ〈……っ〉








嘘だって……






司会〈……では、お願いします。〉








嘘だって……







ジリ〈……。〉








言って……くれ……よ……









ジリ〈オンニ。〉
ジョ〈！〉
ジリ〈分かってるから。〉






あの子が目で訴えてきた。


早く、終わらせて欲しいと。









……私はパボだ。





こんな、こんな酷い現実に背を向けた時間を費やしただけで。






あの子の心のことなんて考えてやれてなかった。


全ては自分が、自分の意思がそうさせた。






もう……だめだよ、ユ・ジョンヨン。





私は、私として生きたい。



そして、私は皆のオンニであり続けたい。









わがままな願いでごめん。
でも。









許してください。









ジョ〈ジリョナ。……出てきて。〉
ジリ〈ネ。〉









そして私の横にしたジリョン。
いつなん時も笑顔を変えないでいるジリョンだが、目は水溜まりだった。









私が降ろした。





この子を。







でも、悔いなんてない。








私はジリョナの左手を暖かく包んだ。

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