最愛の人の幸せ ページ47
龍side
辛い事、苦しい事。
俺のせいで味わっていて、悲しんでいたらどうしよう。
少しだけ、あの時自分の気持ちに蓋をして発言してしまったことに後悔していた。
そして、今回のドキュメンタリー映像で、余計に心がキュッと締まった。
やはり、姉は苦しんでいた。
冷静に考えてみれば当たり前の話だ。
韓国語もわからなければ、ダンスも歌もラップも未経験で、更に経験もないままオーディション番組に出させられて。
慣れない環境、話せないから仲間も出来ず孤独。どれだけ心との葛藤したのか、自分には想像つかないくらいの苦境だったのだと思った。
…だけど、大賞を取ってメンバーの皆さんと笑いあって泣きあっている姉ちゃんを見て、そんな気持ちは吹っ飛んだ。
俺は、間違ってなかった。
姉の幸せを優先して、間違いなかった。
姉は、いつも何かに飢えていた。
俺とは真逆で何でもかんでもすぐに出来てしまう姉は、心の底から真剣になれる物をいつも探していたのかもしれない。
ただそれが、たまたま世の中の中では険しいジャンルの道だったってだけで。
しかも俺の片割れは見事に最初の山を突破して幸せを掴んでいる。
俺が成功した訳じゃないのに、めちゃくちゃ嬉しかった。
龍(…なーんて、絶対素直に言わないけど。)
恥ずかしいから言わねぇけど
俺、姉ちゃんの事大好きだからさ。
…だから。
龍｢A姉。｣
貴『ん？何？』
これくらいは素直に。
龍｢デビューおめでとう。大賞、おめでとう。｣
貴『…ありがとう、龍。』
龍｢俺、父さんとお義母さんと母さんの墓参り行って姉ちゃんの事言ってきたよ。｣
貴『そっか。…喜んでるかな。』
龍｢絶対そうだよ。俺でも嬉しいのに母さんはもっと………いや、もうそりゃあ天地がひっくり返るくらいの喜びの舞をやってるだろうね。｣
貴『…ははっ、何だそれ。笑』
こうして姉ちゃんと軽口を叩き合うのもいつぶりか。
人気アイドルとして離れてしまっていた姉と俺との距離感がこの通話の1秒1秒で帳消しになって行っていて。
龍｢…応援してるから。頑張れよ。｣
だから自然にちゃんと応援できるんだ。
父｢…今日は外食すっか！｣
義母｢おっ、良いんじゃない？いつもの寿司に行きますか？｣
龍｢うおっ、やったね。父さんありがとう！｣
今日も、また自分の中の誇りと幸せの花が一輪増えた気がした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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とあ - ホントに面白いです！ 大好きです これからもがんばってください！ (2020年11月24日 1時) (
レス) id: ff2fba7162 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます^^*そろそろ終盤に差し掛かりますが、最後まで宜しくお願いしますm(_ _)m (2020年5月16日 22時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
女の子 - 面白いですね。更新頑張ってください。応援してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ceafdc132b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パスタ好きのさらさん | 作成日時：2020年2月3日 20時
