ドキュメンタリー8 ページ42
No side
【その後間隔をあけて藤宮を観察していると、猫背で必死にスマホの画面をスクロールしている藤宮に話しかける女性の姿があった。】
【それは……】
リカ「…それが自分で分かってるならいいんじゃない？」
【彼女をこの世界に招き入れた、小石川リカだった。】
リカ｢異母妹っていうのもありますけど…やっぱり真剣に悩んで苦しんでる子には手を差し伸べたくて。｣
【そう、小石川は語る。】
リカ｢と言っても全然アドバイスはしてませんよ。『貴方のままでいい』、としか言ってませんし…。だからあれは、全てAの力です。｣
【あの"奇跡のパフォーマンス"とも言われTwitterで大騒ぎになった藤宮の最終パフォーマンス、『灰色』。】
【あの時、彼女は何を思ったのか。】
貴｢もしこれで落ちてしまったら潔く今回は仕方がなかったって区切るつもりでした。｣
貴｢それ位の完成度には仕上げたつもりでいました。｣
【彼女の1週間の練習風景を遡ってみるが…】
貴｢ここは…いや、こうだな…｣
貴｢〜〜♪…ん？ここの発音なんだっけ｣
貴｢はぁっ…きっつ…｣
貴｢違う、こうじゃない、違うんだよ、ここはこうなんだよ！！｣
【狭い練習室に寝る間も惜しんで鏡の中の自分と向き合う藤宮をカメラがしっかり捉えていた。】
貴｢でも私、楽しかったんですよ。あそこまで真剣になれたことなんて無かったから。｣
【藤宮は若干涙ぐんだあと、こう答える。】
貴｢なんか…お母さんに胸張って言えるなって。｣
staff｢どんな事を伝えたい？｣
貴｢こんなに1つの夢に貪欲になれて一生懸命頑張れてるよって言いたいです。｣
staff｢お母さんも見てくれていると思いますよ。｣
貴｢そう思います。これから先、辛い事があっても見守ってくれている母の存在を考えれば絶対に頑張れます。｣
【そう言って覚悟を決めた強い眼力でカメラを見つめた。】
【そして我々は、最終結果発表後の舞台裏に直撃した。】
リマ｢はぁっ…泣…やった…ようやく…｣
シャ｢ジリョナ。｣
ジリ｢…っ、シャロムオンニ…｣
シャ｢おめでとう。心から祝うよ。｣
ノン｢エミ…っ、ぐすっ、｣
エミ｢ノン、やったね。ようやく掴み取ったよ。｣
【それぞれのメンバーの様々な感情が入り乱れていた。】
【藤宮はと言うと…】
貴｢……｣
【どこにも目の焦点を合わさずにぼーっと天井を見つめていた。】
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とあ - ホントに面白いです！ 大好きです これからもがんばってください！ (2020年11月24日 1時) (
レス) id: ff2fba7162 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます^^*そろそろ終盤に差し掛かりますが、最後まで宜しくお願いしますm(_ _)m (2020年5月16日 22時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
女の子 - 面白いですね。更新頑張ってください。応援してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ceafdc132b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パスタ好きのさらさん | 作成日時：2020年2月3日 20時
