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太宰の言葉にソフィアは首を捻らせた。
Aも太宰の前職は見当もつかない。
揃って黙る二人に太宰は怪しげに微笑み、国木田は嘆息した。
「考えても無駄だ」
「《探偵社の七不思議のひとつ》とまでいわれているんだよね。
……賞金も出るとかでないとか。
＿＿＿七十万、だったっけ？」
その太宰の言葉に少し目を見開く。
それに気づいたソフィアが怪訝そうに聞いてきた。
「まさか、賞金欲しかったり？」
『ううん。
………そんなに、皆…当てられな、い……前職って、なんだろう……って』
少し笑いながら答えた。
そして手元の珈琲に目線を落とし、考えた。
＿＿＿＿＿誰も当てられない前職。
それならば普通の前職ではないはずだ。
よっぽど意外な前職か、世間一般に知られていない前職。
前者だとすると、消防士とかだろうか。
否、その可能性はないだろう。
消防士にしてはひょろひょろすぎるし、太宰の年齢はまだ若いはずだ。
短期間でここまで細身になるはずがない。
となると、後者が正しいのか。
「だから言っているだろう。
どうせ、放浪者とかの類ではないか、と」
「…………否、断じてそんなことはない。
＿＿私の前職に関して、嘘をつく気はないからね」
＿＿＿＿＿＿前言撤回、間違いなく前者だ。
それにどこか太宰は思いつめた顔をしていた。
言い難い職業で、更には意外な職業。
恐らく昔いた職場での名残が今も少なからず残っているはずだ。
何度も言うが太宰はまだ若い。
前職を辞めてからそれほどそれほど時期はたっていないだろう。
太宰の特徴的な点。
それは、あの冷酷な目。
普段は怖くはないが、時折見せるあの冷たい目線は怖かった。
となれば＿＿＿＿
『＿＿＿＿＿犯罪者』
ぽつりとつぶやいた言葉。
それは誰の耳にも届くことはなかった。
まさかね、と思いすぐに首を振り考えるのを辞めた。
何より、これ以上考えてしまえば認めたくない結論に達する気がしたのだ。
谷崎の携帯が短くなった。
それに出た谷崎は短く応答すると、電話を切ってこちらを見た。
「軍警からの依頼です」
その言葉に社員はぞろぞろと席を立つ。
「今回も私の前職を当てられなかったようだね」
太宰は楽しげに呟いた。
一人、《うずまき》に残った彼は黒の瞳の中に闇を宿して言った。
「＿＿＿＿＿シロちゃん、君は一体何者なんだい？」
Aの呟きは太宰の耳には届いていた。
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革ベルト
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宮沢賢治
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Cabby - ありがとうございます！是非続編も呼んでください！ (2019年10月4日 19時) (
レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
楳宮 春 - 続編が楽しみです……！ ソフィアちゃんの太宰さん嫌いは凄まじいですね…笑 無理せずに更新頑張って下さい！ (2019年9月29日 20時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - とっても面白いです！次の更新も楽しみです！ (2019年9月29日 20時) (レス) id: b5778c1530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鸞宮子 瑩 | 作成日時：2019年8月26日 13時
