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今の言葉に目を見開いたものが数名、笑みを浮かべたもの数名……
本当に変わった場所である。
「取り敢えず、シロをそこにおけ」
国木田にそう促され、ソファにAの体を丁寧に置いた。
離れる際に髪を少し撫でると表情が和らぎ、見ていて落ち着く。
通された部屋に入り、用意されていた椅子に座った。
「____で、シロを社員にする、と言うのは?」
国木田に聞かれ、軽く顎を引いた。
「彼女を、守って欲しいのです。
私は、ある人から彼女を守って欲しいと命を受けました。
非常に悔しい事ながら、私独りでは彼女を守りきれなかった。
勿論、彼女も異能を持っています。
彼女の異能がこの私です。
氷を作り、操ることができます。
……お願いします」
早口に捲し立て、国木田を縋るように見た。
其れに国木田は難しそうな顔をし、少し考え込む。
「………強力な異能力者が増えるのはいいことだ。
我が《理想》の実現へと近づく一歩となる。
……だが、シロについて調べた。
彼女は戸籍がない。
勿論お前もだ。
そんな、戸籍の無いような人間を易々と社員に出来るほど
武装探偵社は甘く無い」
悔しそうにつぶやく国木田。
それを見て、「そうですか」と返し、部屋を出た。
ソファにはまるで女神のように美しく、静かに眠る少女がいた。
「あの子はなんで寝ているんだい?」
背後から太宰の声がした。
其れに少し不快感を感じながらも答えた。
「治療です」
「治療?」
「はい。
………先日、あの後上司にシロ様を預け治療をお願いしました」
「………治療だってェ?」
与謝野が其れにピクリと反応した。
「治療といっても、怪我ではありません。
精神的な、です」
「君はあの時のアレは暴走と言うのかい?」
「ええ。
まさしく、その通りなのです。
貴方が見たアレは彼女の異能の暴走に過ぎません。
____彼女の異能力は、私を作り出すことだけです」
強く言い切った。
其れに太宰は何かを探るような目をするが、其れを消すように彼女を見た。
彼女の母親と似たふわふわの髪の毛。
真っ直ぐ伸びた綺麗な鼻筋は彼女の父とそっくりで。
愛おしそうに頭を撫でて、再度振り返った。
「どうか、出来れば彼女を………お願いします」
ソフィアなりの覚悟をしたつもりだった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーキャラ
宮沢賢治
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Cabby - ありがとうございます!是非続編も呼んでください! (2019年10月4日 19時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
楳宮 春 - 続編が楽しみです……! ソフィアちゃんの太宰さん嫌いは凄まじいですね…笑 無理せずに更新頑張って下さい! (2019年9月29日 20時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - とっても面白いです!次の更新も楽しみです! (2019年9月29日 20時) (レス) id: b5778c1530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年8月26日 13時