17 《ソフィアside》 ページ19
Aに異能として取り込まれ、さっきまで
負っていた怪我を直し現れたソフィア。
ぐるりと周りを見渡せば、先程と同じ場所に
同じような格好でAと中原が立っていた。
だが、先程とは決定的に異なる箇所がある。
＿＿＿＿中原の手が凍り始めているのだ。
「拙い」
あのままでは暴走が始まってしまう。
中原が蹌踉めく。
そしてそのまま彼の凍っていく範囲は右手、右腕、上半身＿＿＿と
どんどん広がっていってしまう。
「シロ様！」
そう言って、Aの元に駆け寄った。
あと数米。
手を伸ばしたが、その手は焼けるように痛くなり
思わずAの手元を見てしまった。
立ち尽くしたAの手は氷に覆われ始めている。
そしてAの周囲は異常なほどに熱いのだ。
其れは近寄れるような温度ではなかった。
「ッ、しまった！」
中原は全身を既に氷で覆われ、Aももう殆ど覆われてしまっている。
＿＿＿また、また自分は救えないのか。
そう思ったが、周囲の外気がそれを成すことを許さなかった。
「＿＿＿おや、姫は盛大に暴れたのぉ」
そう言って鈴のような細く、優美な声音が路地裏に響いた。
聞くだけで万感を得られるその声を持つ人物は
背の高い女性だった。
艶やかな黒髪を結い上げ、豪奢な和装をしたその女性は
口に手を添えころころと笑った。
「＿＿＿＿エル様」
目を見開いて名前を呼んだソフィア。
其れに女性は美しく微笑み、言った。
「後は、妾に任せるのじゃ」
青の美しい氷の結晶に包まれ、幻想的な光景を生み出した
Aに女性＿＿＿エルヴァ・エル・ホーラは包み込むように抱きついた。
「目を覚ませ、A。
お前は今死んではいけないのじゃよ、姫」
そうすると、氷が飛びつるように淡い光へと変わり
その姿を空気中に潜めた。
Aを抱きかかえ、中原の氷も溶かすエルヴァ。
そしてソフィアに微笑み＿＿＿
「＿＿何をやっておるのじゃ、馬鹿者！！
何のためにお前を向かわせたと思っておる！
姫を守るためじゃろう？
役割が果たせぬものは要らぬ！」
突如発せられた怒号。
其れは周囲の建物に反響して響き渡る。
「……申し訳ありません」
俯き謝るソフィア。
其れに息を吐き、エルヴァは歩み寄りソフィアの頭を撫でた。
「ソフィア。
＿＿＿頑張るのじゃぞ」
「……………はい」
小さく頷いたソフィアを視界の端に収め、エルヴァは立ち去った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーキャラ
宮沢賢治
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Cabby - ありがとうございます！是非続編も呼んでください！ (2019年10月4日 19時) (
レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
楳宮 春 - 続編が楽しみです……！ ソフィアちゃんの太宰さん嫌いは凄まじいですね…笑 無理せずに更新頑張って下さい！ (2019年9月29日 20時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - とっても面白いです！次の更新も楽しみです！ (2019年9月29日 20時) (レス) id: b5778c1530 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鸞宮子 瑩 | 作成日時：2019年8月26日 13時
