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美しい其の人は桃色の薄い唇に弧を描き柔らかく微笑んだ。


そして、私の手を取ろうとする。


実際こんな人がいたら変人と捉えるだろうし、国木田に助けを求めただろう。


だが、何故か此の人を敵だとは思わなかった。


本能が言っていたのだ、此奴は大丈夫だ、と。




「貴様、だれだ」




声を低くし問う国木田。




「全く、此のお方は直ぐにいなくなってしまうのですから
困ったものですよ。
ここまで送り届けて頂いて感謝しています。
さあ、行きましょう」




そうニコニコと笑って再度私に手を伸ばして来た。




「待て。
質問に答えろ。
貴様はだれだ」




そこに国木田が言葉を挟み、其の人を睨む。




「はぁ……私は、ソフィアと申します。
其方のお方の付き人でございます」




ため息を吐き乍、深く微笑む其の人___ソフィアは
読めない笑みを貼り付けてAに近づく。




「名前だけで小娘の関係者であるとは限らない。
小娘の名を言え」




異様に気を立てる国木田。


そんな彼を見てソフィアは再度ため息を吐いた。




「そんなこと言って、貴方が不審者であった場合
私はそのお方の情報を渡したということになると思います。
貴方はそのお方の御知り合いで?」




「ああ、そうだ」




「本当ですか?」




『………ん』




「そうですか」





そう言ってAを見つめるソフィア。


それから国木田に向き直り、片膝をつき、胸に手を当てた。





「疑ってしまい申し訳ありませんでした。
____我が名はソフィア。
其方のお方___天宮 シロ様の従僕です」




そう言ってAの手に口付けをしたのだった。

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Cabby - ありがとうございます!是非続編も呼んでください! (2019年10月4日 19時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
楳宮 春 - 続編が楽しみです……! ソフィアちゃんの太宰さん嫌いは凄まじいですね…笑 無理せずに更新頑張って下さい! (2019年9月29日 20時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - とっても面白いです!次の更新も楽しみです! (2019年9月29日 20時) (レス) id: b5778c1530 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年8月26日 13時

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