裁判は終わらない ページ31
『そう、この通り、ネズミ君は色が分からない。
ある種の色覚障害さ。
恐らく、銀色と桃色が分からない種類の。
これが、何を意味するかわかるよね?』
「あら、でも先程のティースプーンは金色よ?
其れに、アリスの髪色も金色よ。
何故銀色なのかしら?」
先程までのヒステリックな表情は無くなり、落ち着いたように質問をする女王。
此れは裁判に勝てると確信している為か。
その理由が何にせよ、その顔は近いうちに崩れる。
『女王様、よく見てなかったの?
今、俺は金色のティースプーンを照明の下に置いたよね?
此れは、“月下の時見える色”と同じにする為。
つまり、あの日は満月の夜だった。
月の下では、アリスの髪は銀色に見えるって事だよ』
アリスを見れば、「そうかしら?」とでもいいそうな感じで髪を指に巻き付けていた。
此処まで肝の座っている少女は珍しい。
『つまり、仔犬君に危害を加えたのはアリスじゃない。
桃色の髪の少女ってことになる。
____さあ、どう言い逃れする?』
蓮はそう言ってニヤリと笑う。
女王は、余裕そうな表情を崩し、真っ白な粉を塗った顔に冷や汗を垂らした。
傍聴席にいる人物達は、まるで信じられないものを見るような目で見る。
判事は、反論する様子のない女王を前に、木槌で裁判の終了を知らせようとする。
素晴らしい裁判を起こした、蓮に賞賛を送ろうと、人々が手を打つ為に腕を持ち上げ____
『____嗚呼、裁判はまだ終わってないよ』
静粛を突き破った蓮の声。
裁判所に反響し、その場にいた全ての人の脳裏に焼きつく。
そんな人々の態度を知ってか知らずか、蓮は裏を見せぬ顔で嗤った。
『____【
誰が噓吐きなのか見せてあげるよ』
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時