検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:50,231 hit

夢に見たその待遇 ページ4

『_____え』








「だから、一人で完遂できれば認めてあげるよ」








突如言われたその言葉。


今、目の前の男は認める、と言ったのか。








『______ぁ』








其れを認識した瞬間、唇が震えた。


紅蓮の瞳を見開き、思わず揺れる瞳で太宰を見上げる。


太宰は何を考えたのか、鳶色の合わせていた瞳を逸らした。




__夢にまで見たその待遇。


特に思い入れは無いものの、彼に認められることにこだわり続けた。


任務を人一倍こなして、マフィアきっての体術使いの中原に師事してもらい、
尾崎には異能の使い方を学び、時には森に戦術の考え方も教わった。


そこまでして認められようとしてきたのだ。


これほどの好機、見逃すことなどあり得ない。







『__この命をかけても、この任務、成功させます』







覚悟を決めた蓮の声に、太宰は微かに整ったその顔立ちに複雑な感情を見せた。


其れが何によるものなのか、蓮には到底想像もつかない。


だが、太宰は「そう」と、短く言って踵を返し昇降機へと戻った。








「……ああ、言ってなかったけど、別に絶対に一人でやれってわけじゃ無いよ。

無理そうだったら、私を呼んでいいから。

………まあ、君は私を呼ぶことになるだろうけどね」








『………絶対に一人でやり遂げて見せます。

太宰幹部の助けは要りません』







昇降機の中で交わされたそのやり取り。


互いに張り詰めた雰囲気を醸し出し乍ら無言で過ごす。

扉が開いた瞬間、其処には黒服がいた。








『________』








無言でいると黒服と目があった。


その人物はびくりと肩を揺らし、「どうぞ」と震える声で昇降機の扉を抑えた。








『太宰幹部、お先にどうぞ』








「………君があの任務を一人でこなせるわけが無いよ」








『俺は、絶対に一人でやりますよ。

太宰幹部の手なんか借りなくても、できるんです。

……ですから、ちゃんとやり遂げたら、認めて下さいね』








「勿論さ」








其れだけ交わして、互いに違う方向へと進む。


蓮は任務を確実に成し遂げることを胸に。


太宰は、蓮への複雑な感情を持ち続けて。

*《太宰side》→←鏡に映り込んだ前夜


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。