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裁判所の消失 ページ35

『この国は愛で出来ている』









何処かの篤志家の様に、唄うように言葉を紡ぐ蓮。

見れば目を反らせなくなる。

危ない色気を漂わせ、空を仰ぎ、言った。









『“皆、女王なんて大嫌い”?
笑わせてくれるよ。
こんなにも君達は愛し合ってるじゃ無いか』









そう言って、深く息を吸い込む。

其れから、まるで愛を羨む様に__否、もっと別の何かを羨む様に。









『____全ては、俺を殺す為に』









見るものの心を奪って離さない、危険で居て甘く、溺れてしまうような微笑みを蓮は浮かべた。

目の前にいる人物達を見やる。

其処にいるのは、先程までの白粉を塗りたくった女王でもなく、金髪を弄り肝の据わった行動をするアリスでも無く、痩せ細ったネズミも居なかった。









『最後の答え合わせをしよう』








****








『____危な、良くこんな攻撃出来るよ』









呆れた様に呟く蓮。

その呑気な声とは裏腹に、蓮の現在の状況は不利であった。

先程までいた人物達は凶悪な人相に変わり、其々の武器を振り回している。

だが、一人だけ違かった。

それはアリスだ。

正常なアリスを小脇に抱え、今蓮は裁判所を逃げ回っていた。

アリスが唯一の完璧な人間の形をしているからだろうか。

それとももっと別の何かなのか。









『埒があかないよ』









その声と共に、高い所に跳躍。

アリスを其処にソッと置き、アリスの頭を撫で「動かないでよ」と念を押す。

アリスの返事を見ずに戦場に戻り、【名のないシシャ】を発動させた。









『____これで終わりだ__よッ!!』









手で木片を砕き、不思議の国の住人達に向かって投げつけた。

断末魔をあげ、溶けるように消えて行く住民達。

誰もいなくなった所に、一人、蓮は降り立った。

前髪を搔きあげ、背後を振り向く。

後ろにいるのは金髪の幼女。









『これで、“ハートの”裁判は終わりさ。
____答え合わせをしようよ、黒幕さん?』

特別な異端児→←愛の象徴


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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時

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