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アリスの城の虐殺 ページ14

神聖な場での此れほどの虐殺は神への愚行に等しかった。


蓮は神になど祈らないが。


人形かと思える程に乱雑に積まれ、同じ白の装飾を纏った【信者】達。


下の方に落ちていた一個の骸を引っ張り、死因を確認した。




その殺され方は目も背けたくなる様な凄惨なものであった。


喉を深く斬り裂かれ、そこから多量の出血により首元の服は赤く染め上がっている。


恐らく一番の死因は喉を切られたことによる出血多量か。


少し腕を引っ張って見て気づいたが、この死体、関節が本来ありえない方向に曲がっている。


他の死体も同じかと思い他の死体にも触るが、
同じ様に曲がっている者と正常な者の二通りがあった。


そして曲がっていない死体はその代わりとでも言う様に足が全て骨だけになっているのだ。


然も右足だけ。


何か意味があるのか、首をかしげるが思いつかない。




大量に飛び交うハエ達が鬱陶しくて、空を切る様に短刀を振り追い払った。


それでも尚蠅は飛び交ってくるので即座にその場を立ち、他の場所の捜索に取り掛かった。




奥にある一つだけの小さな扉を開くと、其処にも死体があった。







『またか』







短くそう言い捨て、【信者】の死体の山を踏み越え奥にあった引き出しを開けた。


此処にもそれと言ったものはなく、外れか、とため息をついた。


集ってくる蠅達に舌打ちを零し、逃げる様に出て聖堂の扉を閉めた。




その瞬間、あの腐敗臭が消え、空気が澄んでいくのを感じた。


此処も元は臭かった筈だが、
と辺りを見回せば窓が全て割れていて、冷涼な空気が吹き込んできていた。


澄んだ空気を求めて、窓に近寄る。


心地よい風が吹き込んでくるのを感じ、深く息を吸い込んだ。


そして、目を閉じて____








『____ッ!!』








一瞬光った銀色の槍。


それが頭上から降ってくるのに気付き窓から首を引っ込める。


其れを追う様に二本の矢が飛んできた。


一本は反射的に拳銃で撃ち落とし、二本目も手に掛けようと短刀を握り直すが。








『間に合わない!』








次の瞬間には矢が胸に突き刺さった。


その傷口を中心に全身を焼く様な痛みが広がっていく。


毒か。


毒を盛られたと気付き、矢を抜こうとするも手に力が入らない。


意識も薄れてきて、こらえきれず膝をついた。


体が前のめりに倒れていく。



____意識が、飛ぶ。





____死ぬ。






明瞭な恐怖が蓮の脳を支配した。









____黄金の数字が見えた。

消えてはならない数字→←腐敗した【信者】


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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時

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