検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:83,868 hit

参拾参《織田side》 ページ35

「随分と背が伸びましたね」







そう言う坂口に言われ首を傾げる。


背が伸びた感覚はなく、唯少し視線が上がったな、と感じる程度であった。


齢も十二になり、そろそろ女性としての発達が進んでもおかしくない年頃。


然し蓮は今まで食べておらず伸びなかった分、
ここに来てから、百三十程だった身長が成長期の男児並みに急成長を遂げた。


もう百五十程はあるだろう、同い年の女児よりも随分と背が伸びた。


そう、蓮は縦に伸びた。


幼い頃、中世的だった顔付きは背が伸びれば自然と女性らしくなるだろうと思っていた坂口。


だが期待とは裏腹に、イケメンへと成長を遂げた。


女性的な発達も身長に見合う程はなく、程よくついた筋肉は更に彼女をイケメンへと。




残念がりながらも、坂口はホルスターを手に取り彼女の背後に立つ。


女性とは思えない姿に内心苦笑しながら彼女の体にホルスターを付けた。


素早い手つきで装着する坂口に礼を言って持っていた拳銃を装備する。









『凄いね、此れ。

………高かった?』









「ええ、それはもう」









「ありがとね」ともう一度礼を言えば坂口は「喜んでもらえて何よりです」と微笑む。


ホルスターはかなり高性能なものだった。


拳銃が二丁装着でき、然も伸びる素材。


胸を締め付ける様にして付けるタイプだった為、窮屈かな、と心配したが杞憂だった。


気に入ってそれを付けたまま上着を羽織った。


そして、織田から貰ったヘッドフォンを首にかければ上機嫌に彼女は笑う。









『どう、似合う?』









「ああ、似合っている」









「違和感はないですね」









少しごちゃつくかと思ったがそれも彼女の顔立ちの良さのお陰か、よく似合っていた。


嬉しそうの笑い、
席に再び着いた彼女はヘッドフォンを首にかけたまま、お気に入りの酒を飲み干した。


そして、勢いよく立ち上がる。









『じゃあ、今日は安吾さんの奢りね』









「何でそうなるんですか」









『俺は主役だからね』









「織田さんは?」









『作之助さんは何時も奢ってくれてるから駄目』









「僕は何時も太宰君といる時奢ってるじゃないですか」









『あれは俺が奢ってって言ってないよ』









「仕方ない、安吾、払ってやってくれ」









「…織田さんが払うって言う選択肢もあるんですよ?」









「俺は今日財布を忘れた」









「………わかりました」

参拾肆→←参拾弐《織田side》


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年9月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。