Utopia-70→菊の近況 ページ37
PM4:30 とあるカフェ
side…Hasegawa
「そう言えば菊、最近はどうだ?会長とのごだごだは。」
ルートのこの一言から、話は始まった。
あの時はシエスタだのなんだので助けるとか言いながら、結局帰りを待つだけになって。誰かが言ってた通りちょうど1時間後に祖国様はぐったりとした様子で戻ってきた。
それからはもう俺に勉強を教わってるだけで、何も語ろうとはしなかったんだけど……
「……アーサーさんとは前から何一つ変わってはいませんよ。
ただあの方が“したい”と言うからして、その間私は何も言わずただただ愛して。それだけです。」
「……そうか。」とルートが相槌。
「祖国様。……会長の下僕は嫌ですか?」
隣に座っている祖国様に優しく問う。
少しでも貴方の胸の内を理解したかったから…今のうちに話してほしいな。
本当はもっと早くに知りたかったんだ。そしたら俺が全力で働いてた。
会長だろうが何だろうが全部敵に回すような思いで、何なら俺が代わりに下僕になっても良かった。
……中々口を開こうとしない彼の目がキョロキョロと泳いでいるのを見て、誰かが聞いていないか気になっているのだと理解する。
「……大丈夫ですよ。周りは一般人だし、他の生徒も居ませんから。
……正直に言って良いんですよ。」
「……………私は、」
若干の間を置いてから、祖国様は俺達に語る。
「………私はもう、アーサーさんに縛られて過ごすのは嫌です。
一方的に色んな事を言われて…弁明しても無視。挙げ句の果てには、いつも自分の心の鬱憤を晴らす為に私の事を襲って…あの方の勝手にされて。
…抵抗出来ないんです。逆らったらもっと酷くされてしまう。殴られてしまう。
……もう、アーサーさんには付き合いきれないんです。」
そこまでほとんど息継ぎも無しに言い切った祖国様の背をさする。泣きそうな顔をして。
「……菊…今まで良く耐えたな。辛かっただろ……」
ギルの言葉にこくりと頷く祖国様の目には涙が溜まっていた。
「………菊ぅ…俺らに出来る事あったら言ってね?頑張るから……」
フェリちゃんの優しい言葉に祖国様はほろりと涙を溢す。ついでに俺も感動した。その時、
「……俺、良いこと思い付いたぞコノヤロー!」
ロヴィが打開策を思い付いた、と手を叩いた。
Utopia-71→打開策→←Utopia-69→天使と悪魔と眉毛と髭と。
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†鎖羅†(プロフ) - 英領な妖精さん» そう言って頂けると嬉しいです(´∀`*)よく加減が分からなくなるので(( これから夢主くんとの絡みが増える&秘密が明らかになる(?)予定ですので!お楽しみになさってください((`ω´*))) (2017年3月15日 20時) (レス) id: b90b5d86ea (このIDを非表示/違反報告)
英領な妖精 - †鎖羅†さん» 眉毛のゲスっぷりが最高です(●´ω`●) (2017年3月15日 16時) (レス) id: a88b8887f6 (このIDを非表示/違反報告)
†鎖羅†(プロフ) - 英領な妖精さん» またまたコメントありがとうございます(・ω・´)これからも頑張って眉毛をゲスく出来るように頑張りますです((え← (2017年3月12日 16時) (レス) id: b90b5d86ea (このIDを非表示/違反報告)
英領な妖精 - 待ってましたー( *´艸`) (2017年3月10日 22時) (レス) id: a88b8887f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:†鎖羅† | 作成日時:2017年3月10日 21時