【APヘタリア】会長、禊のお時間です。【男主】【アーサー・カークランド】

Utopia-3→Dream ページ7

その日の夜、とある夢を見た。





薔薇、秋桜、向日葵、菊…など、綺麗な花々の咲き誇る大地の真ん中に立っていた。





花の良い香りの中、囲むように咲いているそれを避けながら進むと、水晶よりも透明でキラキラとした川が流れている。

周りの気温が春のポカポカとした陽気のようであるのに対して、その川は氷の様に冷たかった。まるでこの世の物じゃないみたいに。





さて、何処からか足音が聞こえてくる。二人分かな？





俺が顔を上げると、そこに居たのは………









………見知った顔だ。









……俺の…大好きな………









「菊と…ギル………！！？」









……なんと、ヘタリアの菊さんとギル…ギルベルトが川の対岸にやって来たのだ。





二人はニコニコと微笑んで…まるで俺のことを探してたみたいに「おーい」と呼んでいる。





菊は「Aくん！早くこちらへ来てください！！皆さん貴方の事を待って居るのですよ！！」と。





ギルは菊の言葉に乗っかり「そうだぜー！早く来い！！」と呼ぶのだ。









何故だろう。その時俺は何を思った訳でもなく、









「うん！今行くよ！！」









…とずっと前からの友人だったみたいに彼らに答え、着いていく。









体が勝手に動くような、そんな感じで………。





二人と手を繋いで、歩いていく。何か忘れてる気がするのは気のせい。だけど………





突如、そこで頭の中に何かが流れ込んできた。





大音量の音楽を聞かされてるみたいな強烈な不快感に襲われて、目の前の風景が歪み始める。



目前に映し出されたメッセージテロップと共に流れる冒涜的な歌が更に不快感を増していく。





＜この度は当サイトをご利用頂きありがとうございます。お客様の願い、しっかり叶えさせて頂きました。
じきにお客様の望む世界へと到着致します。
どうか、お客様に神の加護があらんことを。

4.＞









メッセージを読み終わると同時に激しい頭痛に襲われる。頭が割れそうな程に。
けたたましい耳鳴りが鼓膜を破ろうとしている。





次第に視界が曇る中、俺は意識を手放した。

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